おわりに

この先の展開

福河学園を卒業して数日、僕と琴里のスマホに香緒莉からメールが届いた。今日岩城黎明高校を卒業したよとセーラー服姿の写真が送られてきた。

琴里は映えているね。可愛い香緒莉が着る可愛いセーラー服、私も岩城黎明高校に通えばよかったかな。

僕は何の為に福河学園高校に通ったか忘れたの?遠い学校に通ったら漫画を描く時間が減るから近くで通える学校に通おうって話し合ったでしょ?

琴里は翔ちゃんそんなに怒らないでよ。ちょっと冗談で言っただけだよ。このグレーのセーラー服で学校に通えてよかったなって今は思うよ。そういえば香緒莉、高校卒業して進路どうするんだろうね?

僕は気になるなら香緒莉に聞いてみたら?琴里はそうだね。翔ちゃんは香緒莉何になると思う?

僕はそれは本人にしか分からないよ。香緒莉は優しいから先生や看護師なんかも似合いそう。

琴里は香緒莉にメールで尋ねた。翔ちゃん正解だよ。看護師になりたいから4月から専門学校に通うんだって。僕は何かあったら香緒莉に診てもらうよ。琴里は翔ちゃん気が早すぎるよ。香緒莉が愛莉ちゃん楽しみにしてるよ、また機会があればまたつむぎちゃん出して欲しいって言ってたよ。

僕は香緒莉の為にも頑張らないとね。琴里は翔ちゃん元気ないけれどどうかした?まさか私、翔ちゃんを傷つけるような事を言っちゃった?

僕はそんな事ないよ。巻頭カラーで初の1位を獲得して単行本も出て順風満帆な訳でしょ?始まりがあれば終わりがある。連載打ち切りで終わらせるよりも自分たちで終わりを決めてもいいんじゃないのかなって思ってさ。

琴里はなるほどね。でも終わりはどうするの?翔ちゃんの中でこうやって終わらせるっていうの決めているの?僕は色々と考えているんだよね、最後どうしたいとかある?さすかにいきなりすぎか。

琴里はそうだよ。いきなりすぎだよ。そうだね〜、愛莉ちゃんの最後を1度考えてみるね。それこそ皆川さんや立花さんにも聞いて見た方がいいんじゃない?僕はそうだね1度聞いてみよう。

1時間後、皆川さんと立花さんが来た。僕は愛莉ちゃんの最後について尋ねた。皆川さんはまさか翔太郎さんからそんな言葉を聞く日が来るとは思いませんでした。どんな形でも全力でサポートします。

立花さんは燦然(さんぜん)と輝く愛莉ちゃんの作品を見てアシスタントだけでなく1人の女の子として憧れの目で見ていました。そんな愛莉ちゃんだからこそ私はキレイな形で終わりにした方がいいと思います。

琴里はもうちょっと具体的にお願いします。

立花さんは愛莉ちゃんが高校を卒業して彦星の貢と黄昏(たそがれ)の海で告白して結婚、ウェディングドレスを着てっていうシーンを見てみたいです。

琴里は僕の方を見つめて私と翔ちゃんが結婚。そんな日が来たらいいな。僕は琴里に今はタイミングが来たらちゃんとプロポーズしようと思う。今はしっかり描きあげることが先決だよ。

琴里はそれはもちろん分かっているよ。でも翔ちゃんからプロポーズしてくれるって事を聞いて嬉しくてさ。僕は2人も疲れていると思うので明日は休みにするのでゆっくりしてください。

立花さんは私たち仕事終わったので帰りますね、皆川君一緒に帰るよと手を差し伸べた。

僕は久しぶりに甘い物でも食べに行こうよ。琴里は翔ちゃんとのデートなんていつ以来かな。楽しみにしているよ。


久しぶりのデート

僕は琴里とのデート久しぶりで大丈夫かなと緊張していた。琴里は翔ちゃんお待たせと声をかけた。僕は琴里どうしてセーラー服着ているの?琴里はだって高校時代に全然制服デート出来なかったからもうコスプレになっちゃったけれど気分だけでも女子高生の気分になりたくてさ。僕はグレーのセーラー服に歩くと揺れるポニーテールに初デートなのかと思うほど緊張していた。

僕は久しぶりに琴里と手を繋ぐとやっぱり緊張するな。琴里は翔ちゃん緊張するって可愛い。私たち小学校の時から手を繋いでいるのに。

僕たちは電車に乗って少し遠くのカフェに行こうと話していた。僕と琴里は電車に乗り座っているとお母さんと3歳くらいの男の子が席を探していた。

僕は琴里立って、お母さんと男の子に席を譲った。男の子は笑顔でお兄ちゃん、お姉ちゃんありがとう。僕は膝をついてお兄ちゃんは何歳になるの?僕ね、今日でさんしゃいになるの。そっか、お母さんの言う事をちゃんと聞くんだよと伝えた。

次の駅で人が沢山降りて僕たちは席に座った。僕は琴里に今の男の子可愛かったね。琴里はホントだね。今の男の子可愛かったけれど、その男の子を愛(め)でる翔ちゃんはもっと可愛かったよ。私、翔ちゃんとの子どもが出来たら幸せだろうな……。

僕は琴里、ちょっと待って。まだ結婚もしていないのに子どもの話って話が早いよ。琴里はちょっと翔ちゃん、何焦ってるの?今子どもを作ったら誰が面倒みるの?

僕はたしかに、そうだよね。ビックリした。琴里は翔ちゃんのエッチ。僕は子どもは作るものなんかじゃないよ、神からの授かりものだよ。

琴里はそうだね。授かれたらいいねって話だよ。

話していると電車は岩城まで来ていた。僕はここで降りよう。琴里は岩城で降りるのって香緒莉のチアを見に行って以来だね。駅近くにあるショッピングモールのカフェに立ち寄った。

僕は抹茶オレとドーナツ、琴里はりんごジュースとクレープを注文した。琴里はセーラー服を着てカフェに来るとまるで学校帰りに立ち寄ったみたいで嬉しい。僕は卒業してまだ数ヶ月でしょ?高校生と遜色ないよ。琴里は翔ちゃんは相変わらず優しいね。

しばらく話していると岩城黎明高校のセーラー服を着た女の子が入ってきた。

あれ?もしかして琴里と翔ちゃんじゃない?琴里はそれ可愛いセーラー服を着ている女の子いるなって思ったら香緒莉じゃん。どうしたの?

香緒莉は高校を卒業したけれどこのセーラー服が好きで今日は学校が休みだからセーラー服着て歩いてたって感じ。疲れたしちょっと休もうかなと入ったら2人がいたという流れだよ。

香緒莉は2人ともデートの途中だったかな?それなら私どこか行くよ。琴里はせっかく3人でまた会ったんだからカフェの時ぐらい一緒にいよう。翔ちゃんいいよね?

僕は琴里がそういうのならば全然いいよ。そうだ、この前琴里はあの可愛いセーラー服着たいって言ってたでしょ?ここで待っているからセーラー服着替えてきなよ。琴里は翔ちゃんそんなこと言ったら香緒莉困っちゃうよ。

香緒莉はうんいいよ、トイレで着替えよう。翔ちゃん申し訳ないけれどちょっとここで待っていて貰える?僕は待っているけれどずっと待たされたら寂しいから程々に帰ってきてね。

香緒莉はニコリと笑い翔ちゃん相変わらず可愛いね。琴里はさっきめっちゃ可愛い話し合ったんだけれど話すと長くなるから後で話すね。

僕はスマホで他の漫画を読んで時間を潰していた。

30分後、琴里と香緒莉は戻ってきた。琴里はこれで愛莉ちゃんになれたような感じがする。このセーラー服着られて嬉しい。香緒莉ありがとう。

香緒莉は琴里がそんなに喜んでくれたのなら私も嬉しいよ。琴里の着ていたこのグレーのセーラー服も可愛くて私も嬉しいよ。そうだ、せっかくなら3人で写真撮ろうよ。僕はいつでもウェルカムだよ。

琴里はスマホを店員さんに渡して写真を撮って貰った。香緒莉はさっき琴里が可愛い話があるって言っていたけれどどんな話なの?

琴里は電車に乗って来たんだけれどその時にお母さんと3歳になる男の子がいてめっちゃ可愛かったの。香緒莉はえっ、めっちゃ可愛いね。でもそれだけで琴里が可愛い話があるって言わないよね。

琴里はさすが香緒莉、その話には続きがあってねその男の子を翔ちゃんが優しく接していてその姿がまた可愛くてさ。僕は可愛いのは男の子なのにね。

香緒莉は話を聞いただけだけど翔ちゃんも充分可愛いよ。琴里はそれで翔ちゃんに子どもが出来たら幸せだろうなって言ったら焦って結婚もしていないのに早いって。誰も今すぐなんて言っていないのに。

香緒莉はホントだよね。翔ちゃんいつもそんなこと考えているの?翔ちゃんのエッチだね。なんだかんだ言っても翔ちゃんも男の子だから健全といえば健全なんだろうけれどね。

僕は琴里も香緒莉もすぐに揶揄(からか)うんだから困ったもんだよ。

香緒莉はだって翔ちゃんのリアクションが可愛いからついつい揶揄いたくなるんだよ。琴里は香緒莉の言う通りだよ。そんな翔ちゃんと一緒だから毎日が幸せだよ。僕はそれはこっちのセリフだよ。

琴里はじゃあセーラー服着替えないとね。香緒莉はそんなにセーラー服気に入ってくれたのならそのままあげるよ。いずれはバザーに出すつもりだし。その代わりしばらくこのセーラー服着させてね。

香緒莉は洋服屋に行ってライムグリーンのワンピースを買った。コスプレとはいえセーラー服を着て歩くとテンション上がるね。よかったら今度お互いのセーラー服を着て出かけようよ。琴里はそれはいいね、また時間が会った時に出かけようね。

僕は香緒莉にホントの看護師になった時にまた写真を送ってね。香緒莉の白衣の天使の姿みたいからさ。香緒莉は翔ちゃんと琴里に写真を送るね。

3人で楽しいひと時を過ごした。


決断

僕は芝川さんに電話をして出版社に行って話をしたいとお願いをした。芝川さんはいつもの場所で待っているね。

僕と琴里は一緒に出版社に向かった。芝川さんは2人から話があるって珍しいね。どうしたの?

僕は織姫愛莉ちゃんの彦星探しですが終刊しようと考えを伝えに来ました。

芝川さんは何を言い出すのかと思ったら終刊させて欲しいってそんなこと出来るわけないでしょ?前にも言ったけれどこの作品は看板作品を終わらせられるわけないでしょ。単行本も発売されて売上もいいんだから2人とも次の作品を描くことを考えて。

僕はもちろん次に向けて描いています。でもダラダラ描くよりもちゃんとゴールを決めてかきたいですそれが織姫愛莉ちゃんの彦星探しという作品の為、そして僕たちコトリショウの為でもあるんです。

芝川さん私の一存では決められないから一緒に編集部に行こう、2人の思いを編集長に伝えな。

僕たちは芝川さんと共に編集部に行き、編集長に終刊させて欲しいと伝えた。

編集長は君たちは昔からホント勝手だね。琴里君はコンテストに応募してまだ契約もしていないのに乗り込んで来て他の人の評価を聞きたいからと来たと思えば今度は終刊させてくれとはね。我々がこの作品にどれだけ期待しているのか分からないの?

僕はもちろん分かっています。巻頭カラーをいただけたり、単個本を出させてもらいホントにありがたいなと思います。だからこそ自分たちが納得する形で終わりにしたいと思います。お願い致します。

編集長はこの小さな出版社で中々パッとした作品が出てこない中でこの作品なら長期連載出来ると確信していたんだよね。2人の気持ちを汲(く)んで終刊させる方向で考えよう。後何回で終わらせるつもりなんだ?僕は後3回で終わらせようと考えています。

じゃあ後2回、10位以内なら終わらせてもいい。有終の美を飾るに相応しく最後は巻頭カラーでいく。

僕はいつでも1位は狙っています、巻頭カラーに相応しい順位を取って終わらせますと編集部を後にした。琴里は翔ちゃんありがとう。全て一任した感じになっちゃってゴメンね。

僕はそんな事気にしなくていいよ。帰ってまた描かないとね。皆川さんと立花さんにもちゃんと伝えないと。琴里はたしかにそうだね。

家に帰り僕は皆川さんと立花さんに後3回で終えることを伝えた。皆川さんは改めて聞くと寂しいです。立花さんは泣き出してしまいすみません、思わず感情が出てしまいました。

琴里は立花さんが涙を流す程この作品に思いを込めてくれた事はスゴく嬉しいです。後3回、2人に後悔させないストーリーを書きます。

ラスト3回となった号は速報5位、本ちゃん6位、次の号速報3位、本ちゃん2位となり最期の号だけとなった。

琴里はこの4人で描いてきた織姫愛莉ちゃんの彦星探しが終わるのか、何だか寂しいな。僕はだけど最後は彦星貢と結ばれて結婚するんでしょ。愛莉ちゃんがウェディングドレス着てブーケトスで友人のつむぎちゃんが取って終わりって流れでね。

琴里はそうだね、愛莉ちゃんの幸せを今度はつむぎにって感じにね。ストーリーを書いて僕に渡した。

愛莉ちゃんを描くの最後か。いつも以上に可愛くしないとね。今回連載が終わったら琴里に話がある。

琴里はそれはまたの機会ね。今はちょっと恥ずかしいからさ。僕は絵を描いて色を塗り皆川さん、立花さんに渡してトーン貼りをお願いをした。

僕と琴里は皆川さんと立花さんの姿を見ていた。今度また作品を描く時はまた2人にお願いをしようよ。僕はその時に他の作家さんのアシスタントをしていなければねと話していた。

2人は出来ましたと僕に渡し、封筒に入れて出版社に郵送した。琴里はこれで結果を待つだけだね。

僕は皆川さん、立花さん今日まで僕と琴里のアシスタントとしてサポートをしていただきありがとうございました。最後にお願いがあります。来週の金曜日、本ちゃんの結果を良くも悪くもこの4人で結果を分かち合いたいなと思うんですがどうですか?

皆川さんは翔太郎さんがそういうなら是非ともお願いします。何のお役にも立てませんでしたがこの作品に関われたことに感謝しています。

立花さんは愛莉ちゃんを通して愛莉ちゃんがどうなるんだろうとずっと気になっていました。この作品に携わることが出来て幸せです。琴里さん、翔太郎さんの公私共に幸せを願っています。

金曜日、4人で芝川さんからの電話を待った。僕のスマホが鳴り電話に出た。芝川さんは本ちゃん1位、おめでとう。僕は涙を流してありがとうございます。芝川さん、今までご迷惑をおかけてしてすみませんでした。これまでありがとうございました。

芝川さんはこちらこそこんな素晴らしい作品を担当が出来たことを誇りに思うしもっといい作品を作ろうと思ったよ。琴里ちゃんに代わって貰える?

僕は琴里にスマホを渡した。もしもし琴里です。

芝川さんは琴里ちゃんと初めて会ったのは中学生の時だったね、あの時は谷本に怒られながらも必死に頼み込んで来たことは今でも覚えているよ。

琴里はその節は失礼な事をしてしまい申し訳ございませんでした。その数年後、実際にコトリショウの担当になるとはね。琴里ちゃんちょっと待って貰える?琴里は勿論ですよ。

芝川さんは琴里ちゃんお待たせ。まだ具体的な日にちはこれからだけど今年の冬からアニメが始まる事が決まったよ。琴里はアニメ?何のアニメですか?

芝川さんは何ってコトリショウ「織姫愛莉ちゃんの彦星探」だよ。

琴里はありがとうございます。唐突に言われてビックリして言葉が出ません。芝川さんは私は他の作家の打ち合わせ行くから電話を切るね。

琴里は僕たちにアニメ化を伝えた。

僕はとりあえず焼肉でも食べに行きましょう。今日は僕が奢るのでと4人で焼肉屋に向かった。

2時間焼肉を食べていた時、僕は皆川さんと立花さんに次に連載でもアシスタントをお願いします。皆川さんはもちろんです。立花さんは空けておきます。こちらこそまた呼んでください。


プロポーズ

僕は琴里に連載終わったしちょっとゆっくりしよう。琴里は数年間駆け抜けてきた感じだよね。お互いに燃え尽き症候群にならないようにしないと。翔ちゃん、話があるんだけどさ。

僕は琴里どうしたの?琴里は今まではお互いの家の部屋で漫画を描いたりしてたでしょ?だからこれからは仕事場を兼ねて部屋を借りて住もうよ。

僕はそれって一緒に住むってことだよね?琴里はうん、一緒に住もう。明日すぐになんて言わないから少し考えて欲しいな。

僕はそうだね、どこか部屋借りようか。一緒にネットや不動産屋に探そうね。琴里は今日は翔ちゃんの家に泊まっていってもいいかな?僕はいいよ、お家デートなんて始めてかもね。琴里はじゃあ一緒にお風呂入ろうよ。背中流してあげる、

僕は一緒に入るって恥ずかしいけれど琴里がそうしたいなら。僕と両親、琴里でご飯を食べている時に翔太郎、琴里ちゃん連載お疲れ様でした。母は琴里ちゃん、翔太郎のこと公私共によろしくね。

琴里はこちらこそいつも翔太郎君にはご迷惑ばかりかけてばかりなので。

続くように父は漫画の織姫と彦星みたいに2人が結ばれる日が来るのかな。琴里ちゃんなら大歓迎だけどね。琴里はそう言って貰えると嬉しいです。でもまだ翔太郎君からその様な言葉を貰っていないので。僕は両親から鋭い目で見られ、今はそのタイミングじゃないと伝えた。

お風呂のお湯張りが済み、僕と琴里は一緒にお風呂に入った。背中を流し合い湯船に浸かった。琴里は私も中学生の時に比べたらだいぶ大人の女性になったでしょ?僕はそういえば中学生の時にそれで悩んでいたね。たまに色気が出ている時があるよ。

琴里は翔ちゃん何言っているの。女の子にそんなこと言うなんて酷い。僕はデリカシーのない事言ってゴメンね。琴里はウソだよ、私こそゴメンね。

あんまにお風呂に入っていると逆上せるから髪を乾かして寝ようよ。勿論別の部屋でね。

琴里はなんで別の部屋なの?一緒に寝ようよ。小学生の時に同じテントで寝たでしょ。僕はそんなこともあったね。そして僕と琴里は同じ布団で一緒に手を繋いで寝た。

次の日、僕は琴里にデートを兼ねて部屋探しに行こうと誘った。琴里はちょっと着替えてくるから待っていて。準備出来たら電話するから。

琴里は1度家に着替える為に自分の家に帰った。1時間後、メイクと着替えを済ませて電話で準備出来たよ。僕は家を出た。

琴里メイクしてスゴく美人だよ。琴里は翔ちゃんありがとう。近くの不動産屋見に行こう。2人で不動産屋を周り中々思うような物件が見当たらなかった。

僕はもうすぐお昼だし先にご飯を食べよう。あそこにイタリアンのお店あるよ。琴里はじゃあそこに行こうかとお昼を食べた。

琴里は見るのあと1軒にしよう。今日中に決めないとって訳じゃないんだしさ。僕はそうだね、行きたい所あるし。琴里は翔ちゃん行きたい所って?

僕は琴里にナイショだよ。琴里は翔ちゃんの意地悪。ここの不動産屋入ろう。

僕は条件を伝えると幾つかめぼしい物件を3つ見つけ内見をした。琴里はその中で最後の物件がいい。翔ちゃん、あの物件にしようよ。

僕は契約書にサインをして契約を済ませた。

その後、僕は琴里に行先を告げず電車に乗ってある所に向かった。琴里はここって……。マリンパークだよね?どうしてここに?

僕は愛莉ちゃんを描く際にここに来たでしょ?思い出の地に来ようかなって思ってさ。観覧車あるし乗ろうよ。琴里は笑顔で分かったよと手を繋いだ。

僕は連載が忙しくて中々デート出来なくてゴメンね。琴里は大丈夫だよ。こうやってまたここに来られて嬉しいよ。

観覧車が頂上に行くと琴里はキスをした。僕はちょっと、そこは男から行く所なのに持っていかないでよ。琴里はそうだと思った。だから先にしようかなってね。僕は琴里、大好きだよ。琴里は翔ちゃん大好きだよ。観覧車降りたらちょっとカフェでゆっくりしよう。僕は歩き回ったしそうしようか。

僕と琴里は2時間、青春を漫画に捧げていた2人は話す会話は漫画の話をしていた。途中、ファンの人から僕と琴里は写真撮影や握手に応じていた。

僕は琴里にそろそろ行こうかとカフェを出た。日没近くで海に沈みそうな太陽をバックに僕は琴里に話しかけた。

「琴里さんとは小学生の時に出会い、中学生からお付き合いさせてもらっています。振り返れば僕の人生に琴里さんのいない生活は有り得ません。漫画家としても1人の男としてもまだまだですが僕と結婚してください。そしてこの婚約指輪を受け取ってください。」

琴里ははい、喜んで。こちらこそ翔ちゃんがいたからこそここまで来られたと思っています。イライラして文句や愚痴を言って体調崩して翔ちゃんに迷惑をかけることもあると思いますがよろしくお願いします、

琴里はあんな所に結婚式場あったっけ?僕はこの前来た時はなかったから新しく出来たんだと思うよ。琴里はねぇ翔ちゃん、あそこで式を挙げようよ。

僕は空いていたら海の見えるここで挙げようか。

そして僕は帰りに今度の土曜日に両家に挨拶に行こうと伝えた。琴里はパパとママに伝えておくね。

僕も家に帰り両親に伝えると琴里から電話がかかってきた。琴里はお父さんに代わり翔太郎君、お父さんに代わるようにと父にスマホを渡した。

琴里の父はお互いに初めましてではないので焼肉でも食べながらフランクに話しましょう。土曜日の夜にでも食べに行きましょう。僕の父は小鳥遊さんがそれでよければ私たちは構いません。

ホントに結婚の両家顔合わせなのかと疑うほどフランクに漫画の話や2人の話をして挨拶を済ませた。


結婚式

プロポーズをして半年、僕と琴里は結婚式を迎えていた。式には両親、特に仲の良かった学生時代の友人、そして出版社の編集長や担当の谷本さんや芝川さん、そして香緒莉が出席をしてくれた。

僕は琴里のウェディングドレスを見てキレイだな。ホントにこんな美人と結婚するのかと他人事のように見蕩(みと)れていた。僕と琴里は誓いのキスをした。ケーキ入刀や上司の言葉で編集長が言葉を述べた。

そして友人代表のスピーチは僕と琴里の長年の友人でもある姫川香緒莉が務めた。

「琴里、翔ちゃんご結婚おめでとうございます。2人と出会ったのは小学生の時でしたね。翔ちゃんは東京から転校してきて心細い私にいつも寄り添ってくれて困った事があればいつも手を差し伸べてくれましたね。琴里は私と一緒で東京から転校してきたと言うことで仲良くなり、まさか地元が近くて転校初日から仲良くなりましたね。3人での美術部の思い出、登下校の思い出は今でも忘れません。

ホントにおめでとうございます。」

僕は香緒莉のコメントに涙を流すと琴里はハンカチを僕に渡し、翔ちゃん涙を拭きな。琴里、ゴメンね。優しいね。

そして香緒莉が思い出のアルバムをパソコンで流して途中恥ずかしいシーンもありながらも過去を振り返っていた。

新郎新婦の手紙で僕は両親に手紙を読んだ。

次に琴里が手紙を読み始めた。

「お父さん、お母さん今まで育てて下さりありがとうございます。小学校4年生の時に東京から福島の学校に転校すると決まった時に友達と離れるのがイヤでお父さんに駄々をこねてしまいすみませんでした。新しい小学校で馴染めるか不安で学校に行く朝までお母さんに学校になんか行かないと迷惑をかけてしまいました。ホントにイヤなら学校に行かなくてもいい。とりあえず今日だけでも学校に行きなと背中を押してくれましたね。

そして学校に行くと翔ちゃんや香緒莉と出会い楽しい日々を過ごす事が出来ました。どんな時もお父さんとお母さんは私の事を大事に育てていただきありがとうございます。今日、私は隣の翔ちゃん。いえ、翔太郎さんと結婚いたします。

最後にいつもの呼び方で呼びます。パパ、ママ、私絶対に幸せになります。」

そして外に移動した。琴里はブーケトスを投げて誰が取ったんだろう……。ブーケトスを取った人が空に掲げて琴里、私取ったよ。

琴里はその言葉を聞いて香緒莉が取ったことを確信した。結婚式が終わりパーティ、2次会と参加して連載の時の話等をしてお開きとなった。


琴里のお腹には

次の日、琴里は翔ちゃんホントに織姫愛莉ちゃんの彦星探しと同じ感じになったね。ちょっと顔を洗ってくるねと洗面所に向かう途中、琴里は倒れた。

僕は救急車を呼び一緒に病院に向かった。僕は待合室にいると萩原さんと呼ばれ内科に行こうとすると看護師から産婦人科に行くように言われた。

僕は産婦人科……。恐る恐る扉を開けるとそこには姫川と名札を付けた女医さんがいた、

僕はあれ?姫川って香緒莉じゃん。香緒莉産婦人科医になったんだ。香緒莉は赤ちゃんが好きでその出産に携わりたいと思っていてね。

僕は琴里、琴里は大丈夫なの?香緒莉は今の所安定期に入っているししばらく調子の悪い日が続くこともあるから注視して見ておいてね。今日は様子見る為に入院してもらうよ。

僕は安定期ってことはまさか?香緒莉はうん、琴里のお腹には新しい生命が宿っているよ。おめでとうございます。まだ男の子か女の子か分からないけれど琴里に定期的に検診に来るように伝えてね。何かあったら私に相談して。翔ちゃんもどうしたらいいか分からない事もあると思うからいつでも話を聞くよ。

僕はそうだね、何か変わったことがあったらすぐに伝えるし病院に連れてくる。

そして琴里は予定日を過ぎても中々陣痛がこない。琴里は翔ちゃんいつ陣痛くるのかな?赤ちゃん大丈夫なの?そして琴里は泣き出した。

僕は受付で姫川先生を呼ぶように伝え、香緒莉が来るまで僕はずっと琴里の手を握っていた。しばらくして香緒莉が病室にやって来た。

琴里はねぇ香緒莉、予定日を過ぎても中々陣痛がこないけれど赤ちゃんは大丈夫なの?香緒莉は大丈夫だよ。促進剤打つ選択肢もあるけれどどうする?

琴里は赤ちゃんが大丈夫ならば促進剤を打つよ。香緒莉は促進剤を琴里に打った。香緒莉はちょっとでも何かあったら翔ちゃんに伝えてナースコールしてもらって。

琴里はうん、分かった。何かあったら翔ちゃんに伝えるね。香緒莉、翔ちゃんを呼んできて。

香緒莉は僕を呼んで琴里の傍にいてあげて。僕は琴里のお腹を摩り元気に出てきてねと声をかけた。

2時間後、琴里は翔ちゃん鳴らしてと僕の手を強く握った。僕はナースコールをすると琴里は分娩室に運ばれた。僕は分娩室の前でその時を待っていた。

琴里は今お母さんになろうと必死になっているのに僕はただここで待つしか出来ないと次第に目がうるうるしてきた。

この日巡回で香緒莉は僕を見つけて声をかけた。

翔ちゃん目がうるうるしているけれどどうしたの?僕は香緒莉に話しかけた。琴里は今、赤ちゃんを産もうとして必死に頑張っているのに僕はここで待つことしか出来ないって思うとな。

香緒莉はそっか、たしかに翔ちゃんは今何も出来ないし見守ることしか出来ない。でも翔ちゃんのその思いはきっと琴里にも伝わっているよ。

僕は嫁もいるしもうすぐ赤ちゃんが産まれるけれど香緒莉にお願いがあるんだけれどいいかな?

香緒莉はお願いって何?僕は赤ちゃんが産まれるまで隣にいて手を繋いでてくれないかな?

香緒莉は翔ちゃんも心配だよねと僕の手を握った。

そして抱きしめて頭を撫でた。10分後、分娩室から産声が聞こえた。

僕はパッと目が覚めて赤ちゃんが産まれたんだ。隣には香緒莉がいた。翔ちゃんもこれでパパだねと微笑んだ。僕は香緒莉ありがとう。琴里の事で色々と悩む事ががあるけれどその時はよろしくね。

香緒莉は私でよければいつでも、翔ちゃんもパパとして何かあればいつでも相談に乗るよ。それよりも琴里の所行ってあげな。僕は琴里のもとに行った。琴里お疲れ様でしたと抱きしめた。琴里はありがとう。それよりも赤ちゃん見てよ。小さくて可愛い女の子だって。僕はホントに小さくて可愛いね。

琴里は翔ちゃん、この子の名前どうする?僕はこの子の名前紬希(つむぎ)ちゃんにしようよ。僕と琴里の初めての作品でもあるし何より私たちが漫画を描いて来られたのは香緒莉のおかげでもある訳だし。

僕はつむぎちゃんよろしくね。香緒莉にも名前の由来を伝えるとありがとうと僕に握手をした。

僕と琴里は漫画織姫愛莉ちゃんの彦星探しと共に人生を歩んでいった。そしてつむぎという新たに守る人が1人増えた。

僕と琴里は漫画家コトリショウとしてまた萩原翔太郎、萩原琴里として紬希を育てていく親としての第1歩を踏み出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

漫画家コトリショウ 佐々蔵翔人 @kochan884

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ