憧れの学校

3年生

僕は琴里は中学3年生になり漫画家コトリショウとして受験生として大変な1年を迎えていた。琴里はストレスで漫画を書くのが大変になっていた。琴里は私がストーリー書かないと翔ちゃんや貢の絵を描けないじゃないと読者の人に愛莉ちゃんを届ける事が出来ない、私なにやっているんだろう……。

僕は琴里を抱きしめた。原稿の事ばかり考えていて大事な琴里の事を大事にしていなかった。ゴメンね。そして琴里は僕に怒った。なんで翔ちゃんが謝るの?私が自分の体調管理が出来てなくて翔ちゃんに迷惑をかけているのに謝られたら私どうしたらいいの?僕は原稿の事をちょっと焦りすぎていた、ゆっくりでいい。琴里のペースに合わせるようにするよ。琴里は翔ちゃん、そうして貰えると嬉しいよ。

僕はしばらく様子を見るようにした。琴里はお腹が痛くなったり血を吐いたりして僕は谷本さんに電話をかけた。

すみません萩原です。谷本さんちょっとよろしいですか?谷本さんは大丈夫だよ。どうしたの?僕はすみません琴里が体調不良が続いて精神的にも今は漫画を描ける状況ではないので休みをいただきたくお電話致しました。谷本さんはいまや週刊少年コミックスの顔でもある愛莉ちゃんを落とすことは出来ない。萩原君、絵とストーリー両方描けないか?

僕はなるべくやってみます。もし期限が近づいても終わっていなかったらベタ塗りやトーン貼りで手伝って貰えますか?

谷本さんは分かった、どうしても行けない場合はアシスタントを派遣するようにするよ。僕は1人で描くことを決めて琴里にその旨を伝えた。

琴里は涙を流しつつも私も出来ることは手伝うよ。僕は1人で絵を描いてストーリーを書いてとやっていて改めて琴里の凄さとありがたさを感じていた。

僕は琴里、いつもありがとうと抱きしめた。琴里はしょどうしたの?僕は琴里がいるのが当たり前のように思っていたけれどいつも傍にいてくれてありがとう。琴里はそれは私の台詞だよ、いつもワガママな事ばかり言ってゴメンね、翔ちゃんありがとう。

僕は1人で描きあげて封筒に入れ原稿を郵送した。この時の結果は速報10位、本ちゃん13位と結果が振るうわなかった。僕では琴里の書くストーリーには到底及ばないなと実感した。


高校受験

僕と琴里はまず私立の福河学園高校の一般入試で無事に合格した。後は福河高校の受験を迎えていた。

中学校の卒業式で僕は琴里と2ショットを撮影した。琴里は翔ちゃん、第2ボタン欲しい。よかったら貰えないかな?僕は琴里って意外にも古風の考えなんだね。琴里は私だって恋する乙女だよ。

その後福河高校の試験を行い2人で結果を見に行った。番号を見ると載ってない、ダメだったのか。

僕は琴里の方を見るとスゴく悲しいんでいると思ったがそこまで落ち込んだ表情ではなかった。琴里は翔ちゃん、これで福河学園高校に行くことが決まったね。せっかく外に出たことだしどこか行こうよ。

愛莉ちゃんも順風満帆というよりも挫折を得て強くなる方がいいと思うんだよね。

僕はそうだね、カフェに行こうと2人で向かった。

琴里は翔ちゃん話があるんだけどさ。愛莉ちゃんの結果を見ると男の子、女の子共に同世代の子達からよく読まれていて嬉しいなって思うけれどもっとよくするにはどうしたらいいのかな?

僕は新しい登場人物増やす?それならまた新しいキャラを描くよ。僕はしばらく考えていた。

琴里は翔ちゃん、いいアイデアが思い浮かんだらまた教えて。なんか客観的な意見が欲しいよね。

1つ考えがあるんだけどさアシスタント雇うっていうのはどうかな?琴里はいいよ私もアシスタント代出すよ。男の子と女の子1人ずつそれぞれの意見を聞こうよ。僕は谷本さんに話してみるね。

僕と琴里は1度家に帰った。


高校入学

僕と琴里は福河学園高校の門をくぐった。琴里はセーラー服を着てこの制服ホント可愛い。ねぇ翔ちゃん、私このセーラー服似合ってる?僕は琴里似合っているよ、可愛い。ナンパされないようにね。

琴里はそれを守るのは翔ちゃんの役目でしょと笑いあっていた。そういえば香緒莉はどこの高校に行ったんだろう?僕はまた聞いてみるよ。

帰りに僕と琴里は手を繋いで校門を出た。僕は琴里に小学校の時からよく手を繋いで一緒に歩いて帰ったよね。琴里は翔ちゃんイヤだった?僕はそんな事ないよ、ただ琴里と手を繋ぐといつもドキドキするんだよね。琴里は私もいつもそうだよ。

入学式から1週間後、香緒莉から僕のスマホにメールが届いた。私、福島に帰ってきて岩城黎明(いわきれいめい)高校に通っているんだけどそこでチアリーディング部に入って土曜日に岩城体育館で大会があって私も1年生で出るから見に来てほしいな。2人とも愛莉ちゃんを描くのに忙しくて難しいかな?、

僕は琴里に1度聞いてまた連絡するね。僕は琴里に電話をかけて香緒莉が土曜日にチアリーディングで出ることを伝えた。琴里は何か参考になるかも知れないから観に行こうよ。僕は香緒莉に観に行くことを伝えた。香緒莉は2人に会えるの楽しみだよ。

土曜日、僕と琴里は電車で岩城体育館に向かった。

色んな高校のチアリーディングを見ていて琴里はチアリーディングの衣装って可愛いね。翔ちゃん、香緒莉のチア姿どんな感じなのか気になるよね。僕はしばらくしたら香緒莉が出てくるよ。

別の高校の演技が終わり、次は岩城黎明(いわきれいめい)高校ですとアナウンスされた。そして岩城黎明高校が出てきて薄水色のチアガール姿で演技を始めた。琴里はねぇ翔ちゃん、あそこの右端見て。あのポニーテールしてる女の子あれって香緒莉じゃない?僕は真ん中にいるならともかく端にいるのによく分かったね。

琴里は分かるよ、だって1人だけ異彩を放つ可愛さのオーラが出ているからすぐに分かったよ。そんなことよりも演技が終わる前にちゃんと写真撮っておいてね。僕は分かったとスマホで何枚か写真を撮影した。そして岩城黎明高校の演技が終わった。

琴里は翔ちゃん、この後香緒莉と3人でカフェに行きたいと思うんだけれどいいかな?

僕はせっかく外に出たんだし香緒莉にも色々話を聞こうと思うからいいよ。琴里はじゃあ終わったら外で香緒莉を待とう。

続々と女の子たちが体育館から出てきた。琴里はどの高校のチア姿も可愛かったし制服も可愛いな。え、待って。何あの学校のセーラー服めっちゃ可愛いんだけど。水色のセーラー服にピンクのリボンって超可愛いんだけど。どこの高校なのかな?

僕はその制服を着た1人の女の子と目が合った。そして僕と琴里の方に向かって歩いてきて琴里、翔ちゃん久しぶり。観に来てくれたんだ、ありがとう。

僕はもしかして香緒莉?ちゃんと会って話すのなんて小学生以来だね。

琴里は香緒莉の着ているセーラー服めっちゃ可愛いね。香緒莉は琴里の着ているグレーのセーラー服も可愛いよ。僕はみんなと帰らなくて大丈夫なの?

香緒莉はうん大丈夫だよ。現地集合、現地解散になっているからさ。琴里はそれなら3人でカフェに行かない?久しぶりに3人集まったんだからさ。

香緒莉はいいよ。愛莉ちゃんの話や2人の話も聞きたいし。僕はここから近いオシャレなカフェを調べて3人で向かった。

僕はシナモンドーナツ、琴里はタピオカドリンク、香緒莉はミルクラテをそれぞれ注文した。琴里は翔ちゃん、香緒莉の制服姿写真で撮って。もし巻頭カラーで描くことがあったら絶対にこのセーラー服をモチーフに描いてね。僕はそこまで熱弁するなら巻頭カラーが来た時にそうするよ。香緒莉はいつから福島に戻ってきたの?

香緒莉は戻ってきたというよりも宮城県から越境留学みたいな形で福島に来たんだ。あの可愛いチアの衣装を着たいって思ってね。琴里は1年生だからなのか香緒莉が端にいたでしょ?でも私はパッと見てあれは香緒莉だなってすぐに分かったよ。可愛いオーラ満載だったよ。香緒莉はありがとう。それで2人が組んだ経緯は?

僕は琴里のおかげでコトリショウが成り立っているものだからね。香緒莉は思わずどういう事?

琴里は前に香緒莉がコミックスを読んで面白いって言ってくれたでしょ?あれでも半信半疑だったから私が出版社に駆け込んで編集の人に評価を聞いたんだよ。その人にファンレターを郵送してもらって翔ちゃんに見せて説得したんだよ。

僕は思わず琴里、そこまでしてくれたの?始めて聞いたんだけど。琴里はあまり言うと翔ちゃんはそこまで言うなら漫画家になるよってその気でもないのに言うかなって思ってさ。

僕は琴里が体調崩して漫画が描けなくなった時に1人で絵もストーリーも描いてってやったけれど順位に出なくてその時に琴里の偉大さを知ったよ。

香緒莉はホント2人でコトリショウなんだね。2人の話を聞かせてよ。琴里は香緒莉、翔ちゃんの手を握ってみて。香緒莉は言われるがまま僕の手を握った。僕は顔を真っ赤にすると香緒莉は翔ちゃん、小学生の時と何も変わっていないね。可愛い。

琴里は翔ちゃんは小学校の時から手を繋いでいるのに未だに顔を赤くして手を繋ぐとドキドキするねとか言うんだよ。可愛くない?香緒莉は翔ちゃん可愛いね。琴里のこと好きなんだなって思うよ。琴里が翔ちゃんに驚いたこととかあるの?

琴里は翔ちゃんは優しくて可愛いくて何よりも女子力が高い。今もシナモンドーナツ頼む所なんかも可愛いし常に折りたたみ傘、絆創膏、ティッシュ、ハンカチを持っていて私、女子なのに女子力は翔ちゃんに負けているなって思うよ。香緒莉は私もハンカチやティッシュは持っているけれど絆創膏は持ち歩かないかな。琴里はでしょ?スゴイよね。

香緒莉は翔ちゃんずっと目を見て話してくれるね、嬉しい。昔は私が目を見て話してって言わないと話してくれなかったのに。僕は恥ずかしいけれど目を見て話すように心がけてるよ。香緒莉何かあったの?香緒莉は同級生の男の子は私の事をいかがわしい目で見ている人とかもいて思春期の男の子なんだなって思ってさ。でも翔ちゃんは下心とかいかがわしい感じとか全くない。

僕は昔から知っているしそんな目で見るのはよくないかなって。琴里は翔ちゃんキスはしてくれるけれどそれ以上の事はしてくれないよね。僕は琴里の事が好きだからそんな簡単にはって思うんだよね。キスをするだけでもドキドキするのにそれ以上となるとなんて言葉にしたらいいのか分からないよ。

香緒莉は翔ちゃんが琴里の事をホントに大好きで大切にしているなって改めて思ったよ。だからこそ琴里が求めていることに応えるのも翔ちゃんの役目だよ。彼氏のいない私が言っても説得力ないけどね。

僕は琴里のいう言葉に耳を傾けるようにするよ。せっかく3人で集まったんだから写真撮ろうよ。琴里はスマホを店員さんに渡して写真を撮ってもらった。香緒莉はコトリショウ楽しみにしてるよ。2人とも責任感強いから絶対に体調崩さないように。

琴里は香緒莉に抱きしめた。そして香緒莉は僕に抱きしめようとした。翔ちゃんは琴里という彼女いるから抱きしめたら琴里に怒られちゃうよね。

琴里は香緒莉いいよ、翔ちゃんを抱きしめてあげて。他の女の子だったら許さないけれどこの3人の仲だからいいよ。香緒莉は僕を抱きしめた。僕は香緒莉と琴里、3人でまた会おうとカフェを出た。


担当替え、アシスタント

香緒莉のチア姿を見た1週間後、僕と琴里は出版社に来ていた。僕は受付を済ませるといつもの席に案内された。谷本さんと僕の知らない女性が一緒にいた。谷本さんから今日で2人の担当は僕から隣の芝川に変わります。これからは1人の読者としてコトリショウの2人を見守っているよ。

そして谷本さんは編集部に戻っていった。

芝川さんは僕と琴里にファンレターを渡し、読者が何を求めているのか書いてあるからまた読んで参考にしてみて。そして編集部に案内された。

僕はフロントで打ち合わせをした事はあるけれど実際に編集部に来るのは始めてだな。琴里はここに来て色々としてくれたんだな。

芝川さんは2人のアシスタントを紹介するね。皆川君と立花さん、2人とも絵を描く事が好きで応募してきてくれたよ。皆川と立花は先生方の作品に携われると思うと嬉しく思います。

琴里はお2人とも私たちより歳上だと思うので先生というよりも琴里さん、翔太郎さんの方がいいかな。芝川さんは後は2人に任せるね。

僕は2人を家に上げてベタ塗りやトーン貼りについて説明をした。琴里は翔ちゃん、これでちょっと時間が出来るかもね。僕はそういってもしばらくは皆川さんと立花さんのトーン貼りがしっかり貼れているかみないといけないからそこまでゆっくり出来ないよ。琴里はじゃあ翔ちゃんと私、互いに見るようにしよう。そうすれば負担も減ると思うよ。

琴里の書いたストーリーに僕は絵を描いてアシスタントの2人にベタ塗りとトーン貼りをお願いをしてその間に僕と琴里はファンレターを読んでいた。

女の子からは愛莉ちゃんが可愛くてスゴくキュンキュンします、私もこんな恋愛に憧れますと書かれていた。男の子からはもうちょっと愛莉ちゃんのセクシーな部分を見たい。ちょっとエロさが欲しい。

琴里は僕を別の部屋に呼んだ。翔ちゃん、ある男の子からのファンレターでエロさが欲しいって書いてあるんだけど翔ちゃんは1人の男の子としてどう思う?僕は琴里がイヤなのに読者の為にっていうことはさせないよ。とりあえず皆川さんと立花さんに聞いてみよう。琴里は1回聞いてみようか。

僕は部屋に戻り皆川さんと立花さんを呼んだ。

僕は2人に男の子のファンレターを見せてどう思うか聞いた。立花さんはこの作品は純愛の話なのでエロさはいらないと思います。琴里は皆川さんはどう思う?そうですね、順位を上げることは大事ですがそれで琴里さんが望んでいないのに無理に読者の為にするのはどうなのかなって思います。でも1つだけいうのなら1人の男としてエロとまでいわなくとも愛莉ちゃんをセクシーにしてもいいと思います。

琴里はセクシーか……。ちょっと1度考えてみるね。原稿を出版社に郵送した。

僕は結果が出たらお2人にも来た時に伝えるね。

火曜日に芝川さんから速報10位、金曜日本ちゃん8位という成績だった。芝川さんから打ち合わせをしたいからと出版社近くのファミレスに呼ばれた。

芝川さんはファンレターを僕に渡した。私はこの作品にはそぐわないと思うけれどファンレターで男の子から愛莉ちゃんのセクシーな部分やエロさが欲しいっていう声が多く寄せられているよ。

僕は琴里を見つめると悲しい表情をしていた。

2人は家に帰り新しいネームに取りかかった。

琴里はちょっと汗かいたから着替えて着てもいい?僕はいいよ、先に家で待ってるから着替え終わったら家に入ってきて。鍵を開けておくから。

琴里は肩出しの服にもう少しで下着が見えそうな超ミニスカートを穿いて僕の前に立った。翔ちゃん、男の子の求めるセクシーってこういうことかな?

僕はそれ椅子に座ったら見えちゃうよ。アシスタントの2人が来る前にハーフパンツ穿いて。セクシーやエロはどうにかするから琴里はいつも通りでいいよ。琴里は翔ちゃんゴメン、ありがとう。

しばらくしてアシスタントの皆川さんと立花さんがやって来た。僕は皆川さんにどんな感じがいいか尋ねた。皆川さんは翔太郎さんは分かりませんが自分の周りの男友達は夏の制服にうっすら見える下着はセクシーだなっていう人はいました。

琴里はなるほどね、ところで翔ちゃんは何かないの?僕はそうだね。女の子が見ても大丈夫なものでしょ?難しいな……。

立花さんは1度女の子が見るってことを忘れて1人の男の子としてどうしたいのか考えた方がいいんじゃないんですか?琴里はそうだよ、言ってみて。

僕はそうだね……。雨に濡れたワイシャツなんかはスゴくセクシーに見えるし後はおへそ見えてもいいかも。琴里は翔ちゃんそんなこと考えているの?エッチな男の子だね。

僕は案を出すように言ったのは琴里でしょ?ともかく1回描いてみない事には何も分からないよ。琴里は確かにそうだね。結果を踏まえてまた考えよう。

せっかく皆川さんが案を出して貰ったけれど今回のセクシーは雨に濡れたワイシャツで描こうと思う。それが不評だったら他のやつも試して見るね。

僕は琴里にそれをもとにストーリーを書くように伝えた。色んなパターンで絵を描いて待っていた。

琴里は翔ちゃん出来たよ、絵の方よろしくねと渡されて取りかかっていた。

立花さんは琴里に話しかけた。お2人の馴れ初めとかって聞かせて貰うことなんか出来ますか?琴里は馴れ初めね……。長くなるけれどそれでも聞く?

立花さんは頷きとても興味津々だった。

琴里は語り出した。あれは小学校4年生の10月だったかな?私は東京の小学校から転校して福島の通っていた小学校に転校して来たの。私より半年前に姫川香緒莉ちゃんっていう子が転校してきてたまたま小学校が近くて話が盛り上がったの。

立花さんはそれでそれでどうなったんですか?

琴里は香緒莉から困った事があったら翔ちゃんに何でも聞いて。親身に話を聞いてくれるからって。

立花さんは確かに翔太郎さん優しいですよね。

琴里は授業後に私は翔ちゃんと香緒莉に声をかけてどこに行くのか聞くと美術部に行くよって言うから私もついて行ってね。そこで翔ちゃんが始めて漫画を描いている事を知って当時私も漫画を描いていて意気投合してね。立花さんはホントに運命ですね。

琴里は立花さんと皆川さんに絵を描いている僕を見つめていた。あの姿見て、一心不乱に絵を描いているでしょ?夢中に描いている姿が愛おしくてさ。

皆川さんは僕は男なのでよく分からないんですがそういうものなんですか?

琴里は皆川さんが好きな女の子が何かに夢中にやっていたら可愛いって思ったりしない?僕はたしかに可愛いなって思います。

立花さんはもっと掘りされたら色々お話出てきそうですね。私は話してもいいけれど皆川さん興味ある?皆川さんは興味あります、お願いします。

琴里はさっき美術部で漫画で意気投合したって言ったでしょ?その日だったか、別の日だったか真ん中に翔ちゃん、端に私と香緒莉で手を繋いで一緒に歩いて家に帰ったの。そうすると翔ちゃんは顔を真っ赤にして私たちはめっちゃ可愛いって言っていたんだよね。立花さんは翔太郎さん可愛いですね。

皆川さんはしばらくは3人でいたってことだとは思いますが翔太郎さんとはその時は付き合ってなかったんですか?

琴里はその時は付き合ってなかったね。当時翔ちゃんが好きなのは私じゃなくて香緒莉だと思っていたんだよね。今みたいに琴里って名前で呼ばれずに小鳥遊さんってよそよそしい呼び方をしていてね。

皆川さんは男としての意見ですが女の子を名前、それも呼び捨てで呼ぶなんて相当な関係じゃないとムリですよ。

琴里は当時の翔ちゃんもそんな事を言っていたな。私と香緒莉は翔ちゃんに名前で呼んで欲しくて学校帰りに公園に寄って私たちは翔ちゃんに名前で呼ぶようにお願いしたんだよ。翔ちゃんも一生懸命名前で呼んでくれたけれど全然目を合わせて言ってくれないからもう1回ちゃんと目を見て言ってって。

皆川さんは琴里さんのような可愛い女の子にそんな事をされたらドキドキしちゃいます。

立花さんは琴里さん、翔太郎さんの事をホント可愛らしいって思われているんですね。琴里は顔を真っ赤にしたりいきなり抱きしめたりホント可愛くて。

立花さんはお2人の様子を見ていると幸せそうだなって思います。琴里はそれで6年生の時の冬休みに香緒莉が家の都合で転校する事になってそのまま中学生になり漫画を描くためでもいいからって私は意を決して翔ちゃんに香緒莉の事を忘れてでも私の事を好きになってと言わない。私と付き合ってって伝えて今に至るよ。

皆川さんは琴里さんが翔太郎さんに対する愛が伝わります。付き合って驚いたこととかありますか?

琴里はもう驚きの連続だよ。私は翔ちゃんといえば可愛いって思っていたけれど私の事を1番に考えてくれているなって思うよ。中学生の時にお腹が痛くて動けずに家まで送ってくれてさ。その時、イライラする事があってよくないと分かっているのに翔ちゃんに怒ったりしても文句や愚痴、なんでも言って、琴里の味方だよって言ってくれた時はこの人になら弱みを見せても大丈夫だなって思ったよ。次の日にも同じ感じだったのに家に送ってくれたんだよ。

立花さんはそんなこと出来る男の子まずいないですよ。翔太郎さんを大事にしないと。

琴里は香緒莉に一連の流れを伝えたら同じことを言われたよ。翔ちゃんをもっと大切にしなって言われたよ。色んな経緯あって、織姫愛莉ちゃんの彦星探しをコンテストに応募したって流れだよ。

皆川さんはこの話にはそんな深い話があったんですね。愛莉ちゃんは十二単や浴衣を着ていますがこれは実際に琴里さんが着られたんですか?

琴里はその質問結構聞かれるんだよね。実際に着て写真を撮って翔ちゃんに描いてもらったよ。あの時も色々と驚いたな。

立花さんは驚いた?何かあったんですか?

琴里は夏のある日、自分の部屋に向日葵の写真置いてたんだけれどそれを翔ちゃんが見て琴里には似合うってワンピース着て髪の毛をポニーテールにして暑いから麦わら帽子かぶって向日葵を撮りに行ったよ。その後水着の写真撮った後に浴衣を着て花火を見ていたよ。皆川さんは夏を謳歌してますね。

琴里は花火大会は雨で途中で中止にはなるし慣れていない浴衣で足を擦りむいて気持ちが俯いていたら翔ちゃんが駅までおんぶしてくれて絆創膏貼ってくれたの。それも濡れないように傘を差してくれて。

立花さんは折りたたみ傘に絆創膏って私より女子力高いですね。見習わないとダメですね。後は話を見た通りの流れだよ。

僕はよし出来た、3人ともちょっと見てみて。これでどうかな?立花さんと皆川さんは読み始めた。さすが翔太郎さんスゴいですねと感動していた。

琴里は私も見せてと読んでいるとちょっと翔ちゃん、なんでベタ塗りとトーン貼りしてるの?

僕はなんでって何を話していたか知らないけれどスゴく盛り上がっていたから全部やろうかなって思ったんだけれど。話を遮るの好きじゃないし。

琴里は2人の仕事を取ってどうするつもり?

僕は琴里落ち着いて、4人でカッププリン食べない?立花さんはクスッと笑っていた。

僕は思わず立花さんプリン好きじゃなかった?立花さんはそんな事ないですよ。私もプリン好きです。

先程琴里さんから翔太郎さんのお話聞かせてもらいました。小学生の時から可愛かったんですね。

僕はいつも可愛い琴里が傍にいてくれたからだよ。琴里は翔ちゃんは昔から私の事大好きだったよね。もちろん今も可愛い翔ちゃんのこと好きだよ。

僕は顔を真っ赤にして琴里、ありがとう。大好きだよと抱きついた。僕たちはアシスタントの2人がいることを忘れて自分たちの世界にいた。

立花さんはねぇ皆川君、もしも彼女いなかったら私と付き合って欲しいな。2人の姿を見ていたらキュンキュンしてきてあんな恋愛したいな。

皆川さんは僕でよければお願いします。

僕は原稿を封筒に入れて出版社に郵送した。


結果、そして巻頭カラー

芝川さんから電話があり速報4位、本ちゃん6位とコトリショウで過去最高順位となった。そして芝川さんから打ち合わせをしたいと僕と琴里はファミレスに向かった。

芝川さんはコミックスを2冊渡し、愛莉ちゃんいい感じにセクシーだね。エロすぎずにいいよ。女の子のからの評価も悪くない。編集長から次の号は巻頭カラーでやらないかって話が来ているんだけれどどうかな?

琴里ホントですか?私たちの作品、巻頭カラーで描けるんですか?是非ともお願いします。翔ちゃんも巻頭カラー描きたいよね?

芝川さんはその気迫も含めて上に伝えておくよ。また原稿を郵送してねとこの日の打ち合わせは終わった。そして家に戻り立花さんと皆川さんが来るまで2人でゆっくり待っていた。

琴里は僕に話しかけた。翔ちゃん、ついに巻頭カラーだね。愛莉ちゃんのセーラー服ってグレーでしょ?モノクロの時でも描けるからせっかくなら別のセーラー服着せるっていうのはどうかな?

僕は今までグレーでいっていたのに巻頭カラーだからってセーラー服の色を変えるのは不自然だよ。

琴里はそうだよね。せっかくカラーだから何かしたいって思ったんだけれどな……。ムリだよね?

僕は愛莉ちゃんはグレーのセーラー服にしよう。それで1つ考えがある。この前琴里と一緒に香緒莉のチアを見に行ったでしょ?あれを描くのはどうかなって思うんだよね。琴里はその女の子の名前ってどうするの?まさかだけど……。

僕はそのまさかだよ。つむぎちゃん、星河紬希ちゃんでいこうかなって考えているよ。琴里はつむぎちゃんか、懐かしいね。小学校の時に翔ちゃんと描いたんだよね。でもさあの作品を知っている人少ないんじゃかいかな?僕はそうか、ひとまず皆川さんと立花さんに聞いてみよう。琴里はそれを聞いて考えよう。

そして皆川さんと立花さんはやってきた。僕は2人につむぎちゃんのラブストーリーっていう作品知っていますか?僕と琴里が小学生の時に描いたんですが知らないですよね?

皆川さんはつむぎちゃんって星河紬希ちゃんですよね?知っていますよ。立花さんはつむぎちゃん可愛かったな。もう1度みたいな……。

僕は次は巻頭カラーに決まったんですが琴里と何か出来ないか話をしていてつむぎちゃんを今回登場させようと思いますがどう思いますか?

皆川さんは是非とも見てみたいです。立花さんはまたつむぎちゃんを見れられる日が来るとは。愛莉ちゃんのモデルは琴里さんじゃないですか?つむぎちゃんもどなたかモデルがいらっしゃるんですか?

僕はスマホで香緒莉の写真を見せた。

この前琴里と一緒にモデルの香緒莉がチアで踊るっていうから一緒に見に行ってね。

立花さんはこれが前に琴里さんが言っていた香緒莉さんですか?チア姿可愛いですね。琴里はこの学校のセーラー服めっちゃ可愛いので見てください。

僕は香緒莉のセーラー服姿を皆川さんと立花さんに見せた。皆川さんは漫画に出てくるような制服ですね。こんな制服が実際にあるとはビックリです。

立花さんは水色のセーラー服にピンクのリボンって世の中にこんな可愛いセーラー服があるなんて、信じられない。翔太郎さん、アシスタントだからではなく1人の女の子としてつむぎちゃんには絶対このセーラー服を着せてください。これなら1位を狙えます。

僕は立花さんがそこまで熱弁するって珍しいね。琴里は是が非でもって言っていたけれどセーラー服はこれでいいとしてつむぎちゃんのチア姿はどうする?琴里は香緒莉の着ていた薄水色のチア姿、あれは描くべき。セーラー服もチアも私着たいもん。

僕は琴里にチアはともかくセーラー服は卒業した時にコスプレとして着させてもらいな。琴里はじゃあそうしようかな。

僕は今回、巻頭カラーだから絵の修正はいつもより多いと思うから先に絵を描くね。その後琴里に渡すからさ。待っている間また3人で話していてもいいしさ。

琴里は立花さんと皆川さんを呼んで話をしていた。

皆川さんは翔太郎さん仕事とはいえ好きなことをしていてスゴくイキイキされていますよね。琴里はそうだね、私が翔ちゃんに惹かれるのはそういう所なのかもしれないね。

立花さんは翔太郎さん優しくて琴里さんの話をスゴく聞いているなって思いますがケンカするんですか?琴里はケンカはしないね。私が一方的に怒っても優しく受け止めてくれるよ。漫画に関してはお互いにいい作品にしたいからどうするこうするって話はするかな。私たちにとって初めての巻頭カラーだから特に今回は色々話をしたかな。

立花さんは初めてなんですか?初連載の時って巻頭カラーになる事が多いですよね?琴里はそうなんだけれど同じタイミングでスタートした作品に巻頭カラーになったからさ。

皆川さんは中々厳しいんですね、琴里は速報や本ちゃんでも中々成績残せなくて悔しい思いをすることもあるけれどそれでも読んでくれる読者、何よりも打ち切りにせずに掲載させてくれる出版社や担当だった谷本さんや今の担当の芝川さんがいるから。そして何よりも私のストーリーに可愛い絵を描いてくれる翔ちゃんのおかげだよ。

僕は描けたよ、3人ともちょっと見てみて。琴里、皆川さん、立花さんは絵を見て可愛いと見蕩(みと)れていた。

琴里は翔ちゃんさすがだね、セーラー服、チアガールも私の想像以上に可愛い。

僕は皆川さん、立花さんもこれでいいかな?皆川さんはこれでいいと思います。立花さんはいつも1冊は必ず買っていますが今回は2冊以上買おうかなと思います。結果が楽しみです。

僕はじゃあ本ちゃんの順位はみんなで聞くようにしましょう。僕は封筒に入れて出版社に郵送した。

火曜日、速報が芝川さんから電話で1位と告げられた。僕と琴里は初の1位に嬉しく抱き合った。

琴里は翔ちゃんが愛莉ちゃんを可愛く描いてくれたおかげだね。僕はそんな事ないよ、素晴らしいストーリーを書いてくれた琴里のおかげだよ。その上で絵を描いただけだから。

琴里はねぇ翔ちゃん、速報で初の1位にお祝いしてケーキ買ってきて4人で食べようよ。僕は気持ちが昂る気持ちは分かるけれどそれは本ちゃんで1位になった時にしよう。琴里はそうだね。次に向けてまた描かないといけないもんね。

しばらくして皆川さんと立花さんがやってきて速報1位になったことを伝えた。皆川さんはこのまま本ちゃんでも1位になれますよ。立花さんは読者も今回の愛莉ちゃんはいいと評価してくれているんですよ。金曜日が楽しみですね。

そして金曜日になり、4人で芝川さんからの電話を待っていた。僕のスマホが鳴り電話に出てスピーカーにした。今回の巻頭カラーは……1位。おめでとう。僕はよっしゃーと叫ぶと他の3人と抱き合った。これも皆川さん、立花さん、琴里のおかげです、ありがとうございます。

芝川さんは興奮している所申し訳ないんだけれどもう1つ決まった事があるの。僕はなんですか?

芝川さんは今回の結果を踏まえて単行本の発売が決まったよ。私の担当した作家さんが単行本を出すのは初めてだからとても嬉しいよ。

僕は単行本ってことは書店に並ぶって事ですか?

芝川さんはそうだよ。書店で漫画を買ったことあるでしょ?あなた達の作品も本棚に並ぶんだよ。私から伝えることは以上だから電話を切るね。

琴里は翔ちゃん、単行本出るってスゴいね。僕は本ちゃん1位でビックリしていたのに単行本出るって言われても実感が湧かない。とりあえずケーキ買ってくるから3人はゆっくりしていてね。

僕は家を出て近くの洋菓子屋で1ホールのショートケーキを買ってきた。琴里はじゃあ包丁で分けるからちょっと包丁借りるねと琴里は4等分に分けた。

僕はお茶を4人分入れて乾杯をした。ケーキを食べ終わり話していると琴里のスマホが鳴った。

琴里はもしもし、香緒莉どうしたの?香緒莉は今回のコミックスを買って読んだけれど愛莉ちゃん面白かったよ。翔ちゃんに代わってもらっていい?

琴里は僕にスマホを渡した。僕は電話に出てもしもし香緒莉読んでくれてありがとう。香緒莉はこちらこそつむぎちゃんを可愛く描いてくれてありがとう。今回も貢、そして愛莉ちゃんも可愛いかったよ。

それを伝えたくて代わってもらったよ。2人とも忙しいと思うから電話を切るね。

スマホが切れて僕は琴里に返した。

気がつけばこうして僕と琴里の高校生活を終えて卒業式に僕と琴里は桜が舞う木の下でスマホで写真を撮った。

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