部屋の前で
この屋敷の主の自室の前までやってきた
彼は、一度、部屋の木の扉の前で大きく深呼吸をすると、軽く扉をたたいた。
コンコン。
「姫さま。おはようございます。多留比です。お目ざめにございますか」
多留比は扉の向こう側に、問いかけた。
「…………」
「姫さま。起きてください。姫さま」
返事が返ってこないことに内心あきれつつも、多留比は先ほどよりも少し強めに扉をたたく。
「……………………」
相変わらず、部屋の中からは一言も応答がない。これじゃダメだ、と思った多留比は、強行突入、という手段に出ることにした。
大きく息を吸う。
「…………ひ・め・さ・ま。入りますよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます