ありもしないはずなのにわたしはその味や感触を想像し、よだれが垂れてしまっていた。ほんとうにおいしそうなのです。情景がリアルなのもさらによい。しかし、あれだろうか。自身で育てたものこそが至高の味なのならば、きっとあれやそれなどを口にできたら最高だろう。だが悲しいことにそれを味わうことはかなわない。それはとても惜しいことだが、きっとこれ以上ない幸せとはそういうものをいうのだろう。