海月の心変わり

瑞風

第1話 「親友」と海月な私




まだ慣れないブレザーを着て待ち合わせ場所で人を待つ。いつも時間にルーズな彼女を待つのはもう慣れた。靴の先を上下させながら待っていると、自分と全くおなじ格好の女の子が急ぐでもなくこちらに向かってくる。そして悪びれもなく「おはよ。学校だる。」と定番のセリフを私に吐く。こいつこそ、母が、妹が、他の友達が言う私の「親友」である。こいつはいつも中身の無い話をするが、今朝は私が海月に似ているという話だった。なんでも、私の歩き方がふわふわしているところが海月の漂う様子を連想させるらしい。海月は好きだし、悪い気はしない。そういえば今日はよく喋るから機嫌がいいんだなとふと思う。機嫌が悪い日は八つ当たりがすごいので気まずい。けれど、気が弱い私は何も言えないのだ。情けない話である。そんなことを考えているうちに学校についた。



そんないつも通りの変わらない朝をすごしている私だが大きな問題を抱えていた。それは今隣にいる私より3.5センチ背の高くて、私を海月だと言ったやつに密接に関係している。

それは、こいつは本当に「親友」なのか、ということだ。

この間こいつの機嫌が悪い時ふと思ったことだった。その時はあまり深くかんがえなかったが、今朝こいつの顔を見た途端にまた疑問が浮かんできたのだ。親友という言葉に縛られた私たちはこれからどうなるのか。自分のことなのになんだが客観的な視点で見ているような感覚である。まあゆっくり考えていけばいいか。そう思って私の疑問の中心にいるやつと共にクラスに入った。




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海月の心変わり 瑞風 @kokona20

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