第6話
「う、」
気がつくと森のなかだった。
セスはゆっくりと起き上がる、
あれは夢だったのか?
そう思った時起き上がったセスの身体から何かが落ちた。それを見てセスは目を見開き、わなわなと口を震わせた。
落ちたのは一本の剣だった。
刀身は薄いシルバーブルー、柄の部分ら黒を基調とし緑色の装飾がされた剣
「夢じゃなかった!!」
セスは剣を持ち上げ高らかに掲げた。
「あははっ!!俺の剣だ!!俺が手に入れた俺の剣だ!!」
セスは初めて剣を手に入れた子供のようにはしゃいだ。あまりに浮かれるあまり近づいてくる生物に気づかないほどに
「グオォ!!」
「うわっ!?」
突然茂みから現れたのは黒い壁だった。
あまりにも驚いたセスは尻餅をつき、見上げる形でそれを見た。
最初は混乱してなにか判別できなかったがその壁がセスの知識にある魔物であった事から徐に名を口にした。
「グランドベア‥‥」
魔物のランクとしてはA、しかも厄介なのは体毛がとても固く斬撃でのダメージは期待できない点と土魔法を使う。セスはSランクだったがそれはあくまで炎帝のパーティーとしであってセス自身は今までの事から自分を良くてAランクの下位、最低でもBランク上位と判断していた。倒せなくはないが戦士であるセスには有効な攻撃手段はなく、回復薬などのアイテム類もない、森に入る前にあった荷物は手元に無いことから恐らくあの洞窟に置いてきたと思われる。
まさに八方塞がりだ。
セスはグランドベアを刺激しないようにゆっくりと後退する。だがグランドベアは逃がす気はないらしくセスに向かって突進してきた。
セスは避けようとするが足が震え動こうとしたない、このまま殺されるのかと思った時だ
〝我を抜け〟
聞き覚えのある声、なぜだろうか、この声を聞くと落ち着く、セスは前を見るとグランドベアの動きがとても遅く見えた。
まるでスローモーションのように
セスはゆっくりとグランドベアの進行方向からそれた。
そしてセスからしたらゆっくりと自分の横を通ろうとするグランドベア、
セスは剣抜きグランドベアの首を切り落とす。
するとその瞬間グランドベアの身体は勢いよく目の前の木にあたり10メートルほど木々をなぎ倒して止まった。セスの足元には切り飛ばしたグランドベアの頭部が転がっていた。
「‥‥え?今のは一体‥‥」
自分に起きた現象が理解できずセスは何度もグランドベアだった肉の塊とそれを切った剣を交互に見た。
するとしばらくして剣に異変が起きた。
剣がカタカタと震えたかと思うと強く光セスの視界を真っ白に染めた。
仲間から追放された戦士は後に‥‥ 伊佐波瑞希 @harukikouhei
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