マイキーへ

Benedetto

マイキ―へ

久しぶり、人生はどうだい? あれから何年たったかな

どうでもいいことだけど、オレはもう初恋の人には会えないんだぜ


人生は思ってたよりも長いな 独りでいると余計にそう感じる

だから誰かを見つけて塗りつぶしていくのかな 塗り絵みたいにさ

そして待ちわびていた日を迎えるのかい?


Are You Ready to Die For It ???


マイキー、オレは誰かに助けを求めるべきなのか? でも誰に?


人生は質素で味気ない鉛だまを舐めているみたいな味がする

こいつは血の味じゃねえか? キャンディーポップをくれないか?


あの頃から少しも変わらず 同じ道を歩いてる

この先に何があるのか……

手に入れたもの以上の何かは もう存在しないような気すらしてくる

それでいい 死者には死んでから会いに行けばいい 


何も望まないのは罪 オレはオレになる

明日が最後の日だと思って笑えればいいさ

どう転んでもオレはオレになってしまう


オレの選択は間違っていたのかもしれない もう引き返すことが出来ないほどに

孤独を愛しすぎた 誰にも打ち明けず 晒すこともなく 暴かれるはずもないさ

皆殺しの唄が聞えてくる


まだ自分を認められないから 神はオレを独りぼっちに落とすのかい?

それはつまりオレがまだ独りを望んでいるってこと


疾風のごとく駆け抜ける人生 答えはなくとも 愛はなくとも

オレたちは何だって出来る だがなぜ死を選ばなきゃいけないんだ?

オレは自分自身と向かい合って覚悟を決めなきゃいけないのか?

それをやりとおした時 オレはオレになれる 何も怖くはない

そしてすべてを手に入れる そしてすべてが終わる

その日が来るまでオレは疾風となる


何かを失ったとしても それはまだ終わりじゃない

ほんの少しそこに残った何か

それだけで幸せになれる

神はオレを試しているのか?

最後には笑える日が来るさ

誰かのそんなセリフを本気で信じられる気がしてきた


別れはいつも寂しい気持ちにしてくれる 

それがいつかは終わることを学んでいたとしても

いつかは終わりの来ない出会いに感謝する日が来るのかい?


オレは他とは違う、雲の上の存在になるんだ

本当は寂しさを感じると同時に孤独を愛しているんだろう

愛すべき対象を間違えていたとしても

いつかオレは オレのストーリーを語りはじめるだろう


Is This Really What I Wanted ???


オレたちは世界をみる 短い時の中で

何だって叫べることすら忘れていたっけ 思い出したかい?

自分と他人との違い、誇れる何かを見つけたかい?

物語に終わりは必ず来る それをただ待っているのかい?

彼女にひとつ微笑する余裕すらないのかい?

いつだって時は彷徨っている キミに捕まえられるのを待ちながら

人と会うんだ たくさんの知らない人たちと

彼らと過ごす時がキミを変える

そして出会いの後の別れがキミをより強くすることを知るだろうぜ

それではまた会う日まで

たとえもう二度と会うことがなかったとしても悲しくはない

オレたちは走り続ける 幕が下りるその時まで

それが生きるってこと それで十分じゃないか

戻ることは出来ないそれを 抱きしめながらページをめくる 一枚一枚

それがオレたちの出来る精一杯のことだから

いつかまた何処かで会おう いつか何処かで必ず


旅立ちの朝 何度も経験してきた

今回は少し違う 期待も不安もない ただ時が流れるだけ

淹れたてのコーヒーを啜る


悲しいことなどなにもない すべて計画通り

感情はすべて消し去った 人生に意味は無い

皆殺しの唄ももう聴こえない

何も聞こえない

月とか太陽になろう


死ぬ覚悟が出来たら もう死ぬ必要は無い

独りで生きる覚悟が出来たのなら もう恐れることはない

悪いことはもう起こらない 

月にでも太陽にでも何にだってなれる

眼を閉じれば見える宇宙 

オレの瞳孔に今映っているそれは 全く同等のもの


神に祈りを捧げ 神を愛し すべてを受け入れる準備が出来た今

奇跡は既に起こっている オレは神になる

誰に阻まれることも無く 皆に愛されるためだけに

あたかもそれは歴史書にあらかじめ記されていたかのように

傷を負った野獣が迷いも無く敵を追い詰めるように 

朝露で湿った土譲から緑の生命が天を貫こうとするように

あたかもそれらがこの瞬間起こっているかのように……


新しい一日が始まる オレはなりたかったオレに成る 

混迷も混沌もない 光の差す道を歩き続けるだけ

さようならを言ったとしても こんにちはは思ったほど遠くは無い 

オレたちはいずれ終わり 消えていくだろう

しかし少なくともそれは今日ではない

いつまでも同じではいられない 旅立ちの時は来た

それはお前が何よりも待ち望んでいた瞬間だろう

そうら また大きなやつが来た 


疲れを知らない 夜はまた来る

寒さを思い出す いつだって そしてまた 思い出す 思い出す

積み重ねてきたものをすべて捨ててもまだ笑えない

重たい石を持ち上げてみる 赤茶色の煉瓦を積み上げてみる そう呟いてみる

そして鏡を見る いや見つめる そこに映った男の顔

さようならを言ってみる 終わりの時はまだ来ない

ドアののぞき穴を覗いてみる 迎えの馬車はまだ来ていない

走ることも止まることもやめてしまって ただ歩いてみる

後ろを振り返ってみて 笑いかける それはいつか帰ってくる

耳を澄ましてみる 聞えるはずのない音色

オレは誰と話しているのか 尋ねてみる もしくは誰かを訪ねてみる 

笑える 泣くことも出来る 夜が来る そして朝が来る

光が闇を飲み込む それがそのときの合図


Sweet Dream or Nightmare


久しぶり 元気か? オレは大丈夫だ

最後に会ってからしばらく経ったな

時が経つのは本当に早い そっちも同じ意見か

もうじきオレの旅は終わる もしくは第二チャプターの始まりか

あの頃が懐かしいよ また一緒に何か出来るといいな 本当にそう思う

それじゃあまた会う日まで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

マイキーへ Benedetto @Benedetto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ