第57話.神達の会話
神と呼ばれる存在の
「バッカじゃないの、きよねっち!? 夢城真樹なんかが、みんなを救うためになんか力貸すわけないじゃないの!」
百瀬は仰け反り、ソファーの背もたれにもたれ掛かって、驚き呆れたように声を上げる。
「まぁ、それはうちもわかってたはずなんやけど……、もしかしたらあいつらと協力できたら、より早く多くの人が救えるんやないかなって思って……」
聖音は肩をすくめる。
「聖音さんらしいですね。多くの人を救いたいが為に、自らのプライドをも捨て、敵にも協力を仰ごうだなんて」
そう言って天園は足を組み、ティーカップに口を口をつけた。
「まあ、それがきよねっちの良いとこでもあるんだけどね」
ウインクして、百瀬もティーカップを口へと運ぶ。
「ありがと、百瀬」
聖音が笑顔を見せた。
「ですが、残念ながら彼等は悪魔です。情というものを知りません。自らの利益になることしか行わない連中です。私も
「つまりどれだけ時間がかかるからわからない悪魔を説得するより、いまは不審死事件で怯えている人達を救うのが優先、ってことね」
百瀬が言った。
「その事件なんやけど、やっぱりメタアースが関係あると思うわ。被害に遭って亡くなってる人の死に方が、メタアースのモンスター狩りに似てんねん。その亡くなってる人達の共通点を見つければ、これからの被害を事前に防ぐことができるんやないかと……」
「わたしのとこに相談来た人は、お爺ちゃんやお婆ちゃんが亡くなったとか、貧しい生活をしてる人とかが多かった気がする。これはあくまでわたしの体感だけど……」
百瀬が相談の行列を思い出すように、視線を上へとあげる。
「そういえばさ、根本的なこと聞くんやけど…….、メタアースって、誰が作ったん?」
ふと思いついたことを聖音は訊いた。
「……そう言われると……、開発者って誰なのか、全然知らないね」
百瀬は目を見開く。
「よく考えたらメタアースって謎だらけよな」
聖音の視線が鋭くなった。
「たしかに。あのケロコインの管理とかも一体どこの誰が何人ぐらいでしてるんだろ?」
百瀬も疑問を口にする。
「まずはそこからですね。メタアースについて我々で力を合わせて多くの情報を集めましょう」
天園がそう呼びかけると、二人は強く頷いた。
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