第13話.愛の同志②
元々、自身が持つ正義感の強さ故に、弱者に冷たい世間に対して憤りの感情を溜め込んでいたが、舞のサロンと出会い、その感情を吐き出せるようになったのである。
舞のお陰で自分が救われたように感じていた。
共に働く黒人の寿司職人ダニエルにも「必ず俺がお前を守ってやるからな!」と告げ、肩を叩いた。
ダニエルも「ありがとうございます。翔也さん達、優しい人と一緒に寿司を学べて嬉しいです」と笑顔で返した。
日を追うごとに翔也にとって舞のサロンは欠かせないものになっていった。
帰宅後、そして朝の起床後すぐに、必ず舞のサロンをチェックする日々。
「自分の身を犠牲にしても他人に尽くす愛で行動してください」
今日も動画内の舞が語る。
両隣にいる
翔也も合わせて、スマホを片手に画面の向こう側にいる舞に対して頷いていた。
そして、段々とサロンメンバー内でのチャットも慣れ親しんできた。
愛の新世界創世へ向けて、熱い理想を語り合う交流は翔也にとって今まで感じたことのない心地良さだった。
メンバーの皆も今の無慈悲な社会に憤怒しているようだ。
メンバー達には翔也は共感以外の感情は湧かなかった。
そんなある日、
「ねぇ、世の中を良くするために一歩踏み出して行動してみない?」
サロンメンバーの一人ミカリンがこんなことを言った。
「何をするの?」
他のメンバーが尋ねる。
「実際に素晴らしい仲間達と会ってみたい。なので私、オフ会開きまーす!」
「いいね!」
「賛成!」
「皆さんに直接会えるんですね!」
同じ思いの人間と集まれることは、翔也にとっても胸をときめかせるものであった。
「俺も参加したいです!」
翔也も二つ返事でコメントを打ち込む。
「みんな乗り気でよかった♪」
「ではいつにします?」
皆が都合の良い日を教え合う。
全員が集まるのは流石に難しいようだが、参加を希望するメンバーが多く集まれそうなのは二週間後の日曜日。
なのでその日にオフ会を開催することで話はまとまった。
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