第89話.裏返りの聖戦⑥
その場いる全員の視線が
「わたくしの奇能は影の蛇。実体なきこの蛇なら、あの者の唾液も突破できると思います!」
小咲芽は力強い目つきを終末を監視する者に向けて言った。
「さあ、お行きなさい!
小咲芽の指示と共に、彼女の足元から双頭の蛇の黒い影が、するすると伸びる。
その蛇は途中、左右に裂けるように分かれ、終末を監視する者の唾液の中を泳いでいった。
蛇は終末を監視する者に左右から巻きつこうとする。
終末を監視する者は、その長い舌で蛇を舐め取ろうとするも、影を舐めて消すことなど不可能だった。
「おおっ!」
「これならいけるかも!」
どんどんと際限なく伸びゆく小咲芽の蛇は、終末を監視する者を、
「百瀬!」
ふいに呼びかけられ百瀬は驚いた顔を見せる。
「そのカブトムシの角で、わたしを跳ね上げて!」
莉沙は百瀬に支持した。
「えっ?! な、何するの?」
困惑する百瀬に「早く!」と莉沙が急かすと、百瀬は慌てて「わ、わかった」と頷いた。
「カブトムシ! やって!」
百瀬は己の奇能に指示を出す。
カブトムシは先が溶けた角に理沙を
◇
一方、
アリアは
リリスはガブリエルを盾にしたアリアの攻撃に、
徐々に体力が奪われる。
そんなリリスに休む暇を与えず、巨船のアリアは鎖で繋がれたアリアを振り回していた。
リリスは攻撃を躱し続けていたものの、やがて躱すタイミングがわずかに遅れ、ガブリエルが手に持つ剣がリリスを身体を
宝石のように硬いリリスの身体を傷をつける。
その傷は致命的ではないとは言え、リリスは勢い余って倒れてしまった。
そのリリスの身体の上に、アリアはその隙を逃すまいとガブリエルを叩きつけた。
そして、そのまま二人とも押し潰そうと、巨船のアリアは勢いをつけてリリス達の上から落下してきた。
身動きできないガブリエルをそのままにするか、それとも二人とも助かる方法を理で
そのわずかな時間が命取りとなり、アリアの船体が目前に迫る。
もはやリリス一人だけが
万事休した時、とてつもない
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