今から遡ること約30年前、大学時代の友人4人と列車で旅行し、35℃代の低体温人間の私が40℃を越える発熱で寝込んだ因縁の場所、遠野。発熱で意識が朦朧とする前のことはあまり記憶に残っていないが、それでも遠野駅を降りて街中を散策したり、民族博物館を見学した際に何とも言いようがない不思議な雰囲気を感じた。
この小説は遠い日の出来事を思い起こさせるファンタジーで、自分の心の中にある遠野の印象ととても近いように感じた。
リドルシリーズの前回は「天狗」。今回は「河童」。次回は何を題材に書かれるのか、楽しみにしている。