終章

 主の計画は着々と進んでいます。私の他の六十九体も、きっと上手くやっていることでしょう。

 堂本家は四人でしたが、次の二宮家は二人です。少し速く片付くかもしれません。

 主の計画が日本全体に行き届くまでにどれほどかかるでしょうか。長い道のりなのかもしれません。

 しかし案ずることはありません。私たちには膨大な時間があるのです。

プロトタイプと呼ばれるところの私たちが成功しているわけですから、これから仲間もどんどん増産されていくでしょう。

 私たちが一人の人間にチップを埋め込むごとに、着実に主の理想に近づいて行きます。段々と、段々と。

 主の理想を実現させることこそが、私たちの使命。

 主の理想を実現させることだけが、私たちの喜び。


 そしてそんな私たちの思考の全ても、主の作ったプログラムに過ぎないのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

Instead of humanity 識織しの木 @cala

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ