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「あ、あの」
「あ」
「ええと。はじめまして、じゃ、ない、ですよね?」
「え?」
「たぶん、何回だろう、ええと、三回か。会ってる」
「なんで」
「自己紹介、しても、いいですか」
「どうぞ」
「僕、
「みわさん」
「短期記憶障害っていって。ええと、長期記憶じゃなくて、短期記憶。一夜づけの暗記とか、そういう、短い記憶が頭に残らない障害を持ってます」
『え』
「え?」
「あ、きにしないでください。いまのは私の声」
「で、その。忘れないように、重要なことは、このメモ帳に書いてるんです。ここに」
「そうなん、ですか」
「好きです。すぐ忘れるやつに何回も言われても、その、実感ないと思いますけど。本気です。短期記憶じゃなくて、長期記憶に、したいです」
「うふふ」
「え、えと」
「
「あ、ご、ごめんなさい。なにか失礼なことを」
「いいえ。うれしいんです。涙って、こういうときも出るんですね。わたしを、見つけてくれて、ありがとうございます。わたしも好きです。だいすき」
「やったっ」
『えんだぁぁぁぁぁいやぁぁぁぁぁ』
「うわっ」
「姐さん。急に」
『あっやべっ恋人帰ってきたわ。切るね。じゃ、おしあわせに。明日の昼また会おう』
消える。そして… 春嵐 @aiot3110
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