泂酌(引用7:ものは大切に使おうね)
遠くの水たまりから水を汲み、
近くの瓶に注ぎ入れる。
その水が澄んできたら、
澄んだ部分を別の瓶に移す。
そういった水でも、
食べ物を再加熱するための
蒸し水には用いれようもの。
柔らかく、優しき王は、
まこと民の父母。
遠くの水たまりから水を汲み、
近くの瓶に注ぎ入れる。
その水が澄んできたら、
澄んだ部分を別の瓶に移す。
そういった水でも、
祭祀用の酒器を洗うために
用いることは適う。
柔らかく、優しき王は、
まこと民が帰属すべき先。
遠くの水たまりから水を汲み、
近くの瓶に注ぎ入れる。
その水が澄んできたら、
澄んだ部分を別の瓶に移す。
そういった水でも、
祭具を洗い清めることは適う。
柔らかく、優しき王は、
まこと民の憩う場所。
○大雅 泂酌
「地面に落ちてしまった雨水でも、使いようによっては利用価値がある」。リサイクル精神を王自らが持つことに人々は感化され、あらゆるものを大切に扱おうとする、と歌ったのであろうか。いまに比べると圧倒的に資源の少なき時代のことであるから、リサイクルはごく当然の話ではあろうようにも思う。なお詩序では「邵公奭が成王を戒めるために詠んだもの」とする。確かに、王の周りは最も生活資源が多かろうから、ややものを雑に扱いそうな気もせぬではない。この詩については当時よりも現代のほうがピンときそうな気がせぬでもないな。
■良き君子は父母のよう
この部分のみが特にピックアップされる。この短い詩は短いぶん焦点が他詩よりも明確であり、民之父母を拾いさえすれば「讃所泂酌」的な用法に代替も効くのであろう。それにしてもここにもまた高堂隆氏がおり、つくづく高堂隆は明帝に頭を悩ませていたのだな、と言う印象が強い。思うに明帝はきっちり詩経をそらんじるだけの素養があったのであろうな。ゆえにこそ高堂隆はそれを大いに引いて諫じたのやも知れぬ。
・史記10 文帝
馴道不純而愚民陷焉。『詩』曰『愷悌君子,民之父母』。今人有過,教未施而刑加焉?・漢書23 刑法
訓道不純而愚民陷焉。『詩』曰:『愷弟君子,民之父母。』
・漢書27.1 五行
國君,民之父母;夫婦,生化之本。
・漢書81 匡衡
孔子論詩以關雎為始,言太上者民之父母
・三國志25 高堂隆
國有家者,近取諸身,遠取諸物,嫗煦養育,故稱「愷悌君子,民之父母」。
・魏書27 穆亮
徐州表給歸化人稟。王者民之父母,誠宜許之。
・魏書45 韋珍
天地明靈,即是民之父母,豈有父母甘子肉味!
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%B8%83#%E3%80%8A%E6%B3%82%E9%85%8C%E3%80%8B
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