鳧鷖(引用3:祖霊、霊廟にて安らぐ)
カモとカモメとが川べりにある。
祖霊が霊廟にて安らがれるかのよう。
王が供えた神酒は清く、
ふくよかな香りをもまとっている。
祖霊が酒を楽しまれれば、
王のもとに福がもたらされよう。
カモやカモメが砂浜で遊ぶ。
祖霊は霊廟にて安らがれ、
よろしいこととお喜びである。
王が供えた神酒は多く、
併せて肴にもめでたいものが揃う。
祖霊が酒を楽しまれれば、
王のもとに福がもたらされよう。
カモやカモメが渚で遊ぶ。
祖霊は霊廟にて安らがれ、
そこを我が在るべき所と定められた。
王が供えた神酒はよく濾されており、
肴には干し肉が供えられている。
祖霊が酒を楽しまれれば、
王のもとに福がもたらされよう。
カモやカモメが水たまりで遊ぶ。
祖霊は霊廟にて王によく尊ばれる。
王によく尊ばれた祖霊は喜び、
お国に幸福をもたらされる。
祖霊が酒を楽しまれれば、
王のもとに福がもたらされよう。
カモやカモメが水門近くで遊ぶ。
祖霊は霊廟にてほろ酔いで喜ばれる。
良き酒に喜び、
炙り肉の香りを楽しまれる。
祖霊が酒を楽しまれれば、
後の世に艱難などもたらされるまい。
○大雅 鳧鷖
久々に「歌っぽい」詩を見た気がするな。かなりきっちり字句と韻が揃えられておる。しかし形式のぴっちりぶりとは裏腹に、ずいぶんとやわらかな印象をも抱く。それにしても前詩といい当詩といい、後々の展開を踏まえれば完全にフラグ詩にしか見えぬのがな。国風や小雅で散々にこの手の詩を「しかるに現代はぐちゃぐちゃなのでクソ!」と言っておきながら、「大雅のはじめのほうにあるから」という理由だけで正雅として解釈するのはいくら何でも太平楽に過ぎぬか。
■カモやカモメ
「様々な鳥」の雅語的運用時に用いられている。あとはちらほら水門を「亹」とミヤビヤカに表現するときに、毎回解説で注が付される感じであろうか。ええい、注がなければ読めぬ表現などやめてしまえ。
・漢書28 地理 注
亹者,水流峽山,岸深若門也。詩大雅曰『鳧鷖在亹』,亦其義也。
・漢書87.1 揚雄
鳧鷖振鷺,上下砰磕,聲若雷霆。
・後漢書30.1 班固上
鶬鴰鴇鶂,鳧鷖鴻鴈,朝發河海,夕宿江漢,沈浮往來,雲集霧散。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%B8%83#%E3%80%8A%E9%B3%A7%E3%80%8B
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