鴛鴦(引用3:あまねく王の徳)
オシドリが飛んでいる。
得付きの網や投げ網で取る。
王の徳はオシドリにも及ばんとする。
万年の幸福が集まりますように。
オシドリが枝に留まり、
左翼を繕っている。
そのやすらぐ様は福が及んでいる証。
万年の幸福が、広く行き渡るよう。
馬が厩で休んでいる。
そこにマグサやモミを与える。
無用な贅沢は避けるようにせよ。
万年の幸福が身を養いますように。
馬が厩で休んでいる。
そこにモミやマグサを与える。
無用な贅沢は避けるようにせよ。
万年の幸福が心を安らかとしますよう。
○小雅 鴛鴦
オシドリをつかまえておいて王の徳が行き渡るもクソもない気がせぬでもないのだが、ともあれオシドリが捕まることも安らぐことも王の徳が世にあまねく行き渡った証とする、らしい。馬に飼い葉を与え、それが贅沢となり過ぎぬようにする、はまぁわからぬでもないのだが。そして最大の謎は、当詩詩序が相変わらず「こういうことをしなかったので幽王はクソ」と訴えることである。
■嘘から出たまこと
三國志29 周宣
文帝問宣曰:「吾夢殿屋兩瓦墮地,化為雙鴛鴦,此何謂也?」宣對曰:「後宮當有暴死者。」帝曰:「吾詐卿耳!」宣對曰:「夫夢者意耳,苟以形言,便佔吉凶。」言未畢,而黃門令奏宮人相殺。
曹丕が周宣で遊ぼうと、見てもいないのに「宮殿の瓦屋根が二枚地に落ちてオシドリの夫婦になる夢を見たが、これは何を意味するのか」と問うた。周宣は「後宮で死者が出ましょう」と答える。それを聞いて曹丕はやだなー冗談だよと言ったが、周宣は「オメーそいつを口に出したろ、なら実現すんだよアホか」とやんわり伝え、それを言い終わるや否やのところで後宮で殺人事件が起きたと報せが飛び込んできたという。こわっ……。
■鳳凰とは
宋書28 符瑞中
鳳凰者,仁鳥也。不刳胎剖卵則至。或翔或集。雄曰鳳,雌曰凰。蛇頭燕頷,龜背鼈腹,鶴頸鷄喙,鴻前魚尾,青首駢翼,鷺立而鴛鴦思。
符瑞志に見られる、鳳凰についての解説である。オスが鳳、メスが凰であり、すごい外見をしていて、水面に立つ姿は「オシドリの想い」、いわば鳳と凰とで思い合う、と紹介するのである。
■オシドリ夫婦の見分け方
魏書114 釋老志
顯祖因田鷹獲鴛鴦一,其偶悲鳴,上下不去。帝乃惕然,問左右曰:「此飛鳴者,為雌為雄?」左右對曰:「臣以為雌。」帝曰:「何以知?」對曰:「陽性剛,陰性柔,以剛柔推之,必是雌矣。」帝乃慨然而歎曰:「雖人鳥事別,至於資識性情,竟何異哉!」
拓跋弘が狩りに行った時、オシドリの片割れをつかまえた。するとそのつがいが悲しく鳴きながら逃げようとせぬ。拓跋弘は飛んでいるオシドリがオスかメスかを聞く。すると臣下はメスであろうと答えた。オスなら取り返さんと襲い掛からんとするはずだから、というのである。拓跋弘はその答えより、「オシドリですら配偶者を悲しむ気持ちがあるのだ!」と悲しんだという。えっそこ……?
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E9%B4%9B%E9%B4%A6%E3%80%8B
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