甫田之什(ほでんのじゅう)
甫田(豊穣を喜び、祝う)
広々とした、大きな田畑より
取れる収穫は千を十数えるほど。
新米は国に納め、残った古米を
我が農夫らに与える。
昔から変わらず、南の田に向かい、
農夫たちを慰労する。
農夫たちは草取りや耕耘をなし、
そのためキビたちはすくすくと育つ。
彼らの休息している場に立ち寄り、
優れた働きを示した者を讃える。
祭器に山盛りのキビの前に、
生贄の羊を与え、神々に奉げる。
我が田の実りは豊かであり、
農夫の喜び、幸いともなる。
琴を鳴らし、太鼓を叩く。
田の神の来訪を、恵みの雨を願い、
五穀の豊穣を、一族の幸福を祈る。
神の子孫たる王が訪問すれば、
農村の長老らは子弟を伴い、
弁当を持って南の田に赴く。
農務管理の役人も現れ、
共に穀物の生育を喜ぶ。
王が左右の手を伸ばすと、
あちらこちらの田からの
作物がもたらされる。
王はそれらを舐め、
各田の出来栄えを占う。
稲穂はよく実り、不揃いもない。
今年も豊作となるだろう。
王のご機嫌も上々。
農夫らも元気よく働いている。
王に納める穀物は、実にうずたかく。
まるで茅葺き屋根の、川中の小島の、
あるいは小高い丘のよう、積み上がる。
これらを収めるために、
千もの蔵が、万もの箱が求められよう。
キビもイネも、実に豊作。
農夫たちにとっても幸いであろう。
神が人々の祈りに幸いで答え、
ながらくの恵みでお答えになったのだ。
○小雅 甫田
今日も元気に詩序は「昔はよかった」で主張を固定しておる。いや本当、豊作だったからと王とともに喜ぶ歌、でよろしいのではないか……? 正直変雅詩続きでずっとくさくさしていた気持ちを、ここ最近の詩でスカッと晴らしてもらえている感があるぞ。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E7%94%AB%E7%94%B0%E3%80%8B
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