大田(引用1:豊かな実りを祈る)
広大な田んぼに植える種を厳選し、
農具の手入れをも済ませる。
よく研がれた鍬でもって南の田を耕し、
多くの穀物の種を蒔く。
間もなく種は芽生え、良く育ち、
神の子孫たる王は、
神よりの恵みに感謝する。
百姓らが農務に精勤したおかげで、
実りは非常に豊かなものとなった。
雑草たるイナグサやホグサもなく、
ズイムシやハクイムシ、
ネギリムシやフクムシも取り除き、
田の若稲を害するものもない。
田の神の神威たる炎が、害虫らを焼く。
空に雲がもくもくと覆いかぶさり、
おもむろに雨を降らせ始めた。
雨が王のための田を潤し、
その余慶にて我が田も潤し給う。
あちらには未だ刈りいれられぬ若稲が、
こちらにはまだ束にしておらぬ稲穂が。
あちらには刈り残しの稲が、
こちらには落ち穂が転がっている。
これらの残った穀物は、夫を失った
やもめの母にもたらされるのである。
王が視察に訪れれば、
村の父老らが妻子に弁当を作らせ、
農夫らに送り届けさせる。
田畑の監督者が喜ぶ。
王が実り豊かとなるよう祭祀をなすのに、
青黒い毛の羊や豚、キビを供える。
祈りに応え、神よ、
幸福をもたらしたまえ。
○小雅 大田
ここも幽王批判なのだそうである。幽王は大人気であるな。こんな五穀豊穣の祈り歌は五穀豊穣のために歌っていていただきたいものであるが。
■人こそが資本でしょうに
魏書78 張普惠
善人,國之本也,其可棄乎?詩云:「樂只君子,邦家之基。」堯典曰:「克明俊德。」呂刑曰:「何擇非人。」周官曰:「官弗必備惟其人。」咎繇曰:「無曠庶官,天工人其代之。」詩云:「人之云亡,邦國殄悴。」又曰:「雨我公田,遂及我私。」
北魏末期の官僚にして、おそらく名将にもカウントされうる人物である。そんな彼が朝廷に対し人材の重要さを説く。良き人をよく扱うのが国の資本、それを捨てようとはどういうことか? 人を良く遇すべきは当詩にも乗るところ、堯典、呂刑、周官、咎繇にもあるし、また大雅瞻卬の「人が滅びて国がやつれる」も、小雅大田の「公田に恵まれた雨が、わが私田にも流れ込む」と表明したのもそれである、と言う。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E5%A4%A7%E7%94%B0%E3%80%8B
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