北山(乱政批判)
あの北の山に登ってクコの実を摘む。
壮驍たる君子らとともに
朝から夕まで仕事に励む。
お国の経営はおろそかにできぬ。
両親には心配をかけてしまうことよ
。
この広い天の下に、
王の地でない場所はない。
海に至るまでの、すべての民で、
王の民でない者はいない。
だというのに王宮人事は公平さを欠く。
私一人がルールに従い、労苦する。
四頭の牡馬が車を引き、
せわしなく行きかう。
お国の経営の活発であることよ。
私が壮健であることを喜ぼう。
私が精力的であれることを喜ぼう。
各地に飛び回り、各地を運営するのだ。
ボケーッとさぼる者もあり、
くたびれ果てている者もあり、
役所内で心労をため込む者もあり、
方々に飛び回る者がある。
怒鳴り散らすことなく事をなす者があり、
ひいひいと苦労する者があり、
傷つき喘ぎながら働く者があり、
王の命令に翻弄され続ける者がある。
酒を飲んで楽しむ者があり、
ペナルティを恐れ汲々とする者があり、
朝廷内で好き放題言う者があり、
骨折り損を押し付けられる者がある。
○小雅 北山
ここでも詩序は幽王を批判したがるのであるが、他の批判詩に比べるとややポジティブな面が見える気がせぬでもない。「我ひとり賢」とあるので、自分以外で安逸にふける者を冷徹に観察しておるきらいも感ぜられる。ただ、ピントの外れた頑張りを認められぬものが往々にして「自分ひとりが苦労してばかりいる」と思い込むのもまた人情なのでな。困ったものである。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%B8%89#%E3%80%8A%E5%8C%97%E5%B1%B1%E3%80%8B
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