小宛(引用13:乱世の処世)
あの小さな鳩でさえ、鳴きながら、
凛と天を飛んでいると言うのに。
我が心は憂悶に沈み、傷ついている。
先祖の労苦を思い、
夜明けまで寝付けず、
両親について思う。
聡明なるものは酒を飲んでも
温和にして、乱れない。
視野狭きものは一度酒に酔えば、
そのまま酒を進めてしまう。
おのおのがた、儀礼を慎まれよ。
天命は慎まぬものにはやってこぬ。
普段であれば野原になる豆は、
見つけた者が採取し、食べるもの。
クワムシは卵を産んでも育てず、
ジガバチがそれを背負い、育てる。
我に似よ、我に似よと教えを授け、
クワムシを自らに似せようとする。
セキレイが鳴き、飛ぶのを見る。
私が日々つとめに追われるように、
セキレイよ、そなたもまた、
止まれずにおるのだな。
朝起きてより夜に眠るまで、
親に顔向けできぬなどと
言うことのないようになされよ。
あちらこちらと飛び交うイカル。
稲穂干しの場にやってきては、
粟をついばむ。
なんと悲しきものよ、
本来のイカルは肉食ではないか。
食うものに困り、粟を食し始めたか。
さながら我が窮状のごとしである。
あるいは村の牢、あるいは城の牢。
上の者は私を獄につなぐことを
当然と思っている。
私は粟を抱え、占い師を尋ねる。
私の行く先は、
どこに良き道があるのか。
温厚にして恭しい人々は、
まるで木陰に集まるがごとく。
万事に恐れ、まるで千尋の谷の
傍にいるかのように、
あるいは恐る恐る、薄い氷の上を
渡るようにしている。
私もそれに倣うべきなのであろう。
○小雅 小宛
詩序はこれを幽王批判とし、朱子は「馬鹿じゃねーの詩序」とぶった切る。例の流れである。全体的な流れは荒れる世の中に対しどう身を処すべきか、その処し方で親に顔向けができそうか、を占う詩であると言えよう。そこさえ踏まえてしまえば問題はないのではないか。最終連については小旻との混同も疑われておるが、まぁ残しておいても詩意を損なわぬので、このまま配しておいてもよいようには思う。
■聖なるをもたらすもの
・三國志2 曹丕 裴注
且聞堯禪重華,舉其克諧之德,舜授文命,采其齊聖之美,猶下咨四嶽,上觀璿璣。
・三國志3 曹叡 裴注
爰及文皇帝,齊聖廣淵,仁聲旁流
・晋書5
今左右丞相茂德齊聖,國之昵屬,當恃二公,掃除鯨鯢,奉迎梓宮,克復中興。
・晋書23 楽志下
太祖齊聖,王猷誕融。
・晋書30 刑法志
三代之君齊聖,然咸棄曲當之妙鑒,而任徵文之直准,非聖有殊,所遇異也。
・晋書31 左貴嬪
雖曰齊聖,邁德日新。
・晋書50 庾純
今議責庾純,不惟溫克,醉酒沈湎,此責人以齊聖也。
・晋書55 潘尼
今我皇儲,齊聖通理。
・晋書71 孫恵
加以四王齊聖,仁明篤友,急難之感,同獎王室,股肱爪牙,足相維持。
・宋書2 武帝中
太尉公命世天縱,齊聖廣淵,明燭四方,道光宇宙。
・宋書20 楽2
太祖齊聖,王猷誕融。
・宋書55 臧燾
故上及征西,以備六世之數,宣皇雖為太祖,尚在子孫之位,至於殷祭之日,未申東向之禮,所謂子雖齊聖,不先父食者矣。
・魏書71 裴叔業
陛下齊聖溫克,臣敢獻微誠。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%BA%8C#%E3%80%8A%E5%B0%8F%E5%AE%9B%E3%80%8B
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