蓼蕭(君主の恩沢に浴する)

蓼蕭りくしょう



蓼彼蕭斯りくかしょうき 零露湑兮れいろしょけい

既見君子きけんくんし 我心寫兮がしんしゃけい

燕笑語兮えんしょうごけい 是以有譽處兮ぜじゆうよしょけい

 茂るヨモギは、朝露に湿る。

 ヨモギのごとく潤沢な徳に

 あふれた君子を前に、

 我が心は晴れ渡る。

 宴にて談笑する栄誉を受け、

 忠心を新たとする。

 

蓼彼蕭斯りくかしょうき 零露瀼瀼れいろじょうじょう

既見君子きけんくんし 為龍為光いりゅういこう

其德不爽きとくふそう 壽考不忘じゅこうふぼう

 茂るヨモギは、朝露に湿る。

 ヨモギのごとく潤沢な徳に

 あふれた君子を見れば、

 たまわる寵は光のごとし。

 君子は徳から違うこともなく、

 故に国はとこしえに栄えるのだ。


蓼彼蕭斯りくかしょうき 零露泥泥れいろでいでい

既見君子きけんくんし 孔燕豈弟こうえんがいてい

宜兄宜弟ぎけいぎてい 令德壽豈れいとくじゅがい

 茂るヨモギは、朝露に湿る。

 ヨモギのごとく潤沢な徳に

 あふれた君子を前に、

 宴にて楽しみ、安らぐ。

 上の者にも、下の者にも、

 余すところなく、徳が行き渡るよう。


蓼彼蕭斯りくかしょうき 零露濃濃れいろのうのう

既見君子きけんくんし 鞗革沖沖じょうかくちゅうちゅう

和鸞雝雝からんようよう 萬福攸同ばんふくゆうどう

 茂るヨモギは、朝露に湿る。

 ヨモギのごとく潤沢な徳に

 あふれた君子に見えたのち、

 送り出される馬車にも、

 また美しき飾りがなされる。

 しゃらしゃらとした音を

 聞きながら、私は願う。

 その大いなる福が、

 万物に行き届きますように、と。




○小雅 蓼蕭


麗しき君主と、その君主からの恩沢を受ける。恩沢はまた宴と言う形でも示される。かくて君子のために働こうという思いを新たとする。うむ、コミュ障には地獄のような話であるな。




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81#%E3%80%8A%E8%93%BC%E8%95%AD%E3%80%8B

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る