文選補亡 崇丘(王のもとで栄える万物)

崇丘すうきゅう


瞻彼崇丘せんかすうきゅう 其林藹藹きりんあいあい

植物斯高しょくぶつきこう 動類斯大どうるいきだい

周風既洽しゅうふうきこう 王猷允泰おうゆういんたい

 あの小高い丘を見よ。

 木々が生い茂っている。

 草木は高々と伸び、

 鳥獣らはよく肥えている。

 かの林のごとく、

 周の徳はあまねく行き渡り、

 王の政道は世に行き渡る。


漫漫方輿まんまんほうよ 回回洪覆はいかいこうふく

何類不繁かるいふはん 何生不茂かせいふぼう

物極其性ぶつきょくきせい 人永其壽じんえいきじゅ

 大地は果て無く広がり、

 その上には、広々とした大空。

 繁栄せぬ動物があろうか、

 繁茂せぬ植物があろうか。

 万物は自身の特性を極め、

 人々はとこしえに生きる。


恢恢大圓かいかいたいえん 芒芒九壤ぼうぼうきゅうじょう

資生仰化しせいぎょうか 于何不養うかふよう

人無道夭じんどうむよく 物極則長ぶつきょくそくちょう

 果て無く広がる大空と、

 その下には茫漠たる大地。

 生を受けたものは遍く教化され、

 養われ育たれぬものなどいない。

 早死にする者もなく、

 あらゆるものは果て無く続く。




○文選補亡詩 崇丘


天井天下、すべてのものが生気に満ち、華やいでいる。そのすべては周王の徳が世に満ち満ちているためである。周王のことか……周王のこと、なのだよな……どうもこの、補亡六詩の存在は切なすぎるな……。

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