鳲鳩(立派な地方長官/が、いない)

鳲鳩しきゅう



鳲鳩在桑しきゅうざいそう 其子七兮きししちけい

淑人君子しゅくじんくんし 其儀一兮きぎいちけい

其儀一兮きぎいちけい 心如結兮しんじょけつけい

 キジバトがクワの上に、

 小鳥たちは七羽。

 よき人や君主は、

 心がひとところに定まっている。

 定まったうえ、強固である。


鳲鳩在桑しきゅうざいそう 其子在梅きしざいばい

淑人君子しゅくじんくんし 其帶伊絲きたいいし

其帶伊絲きたいいし 其弁伊騏きべんいき

 キジバトがクワの上に、

 小鳥たちはユズリハの上。

 よき人や君主は、白い糸の帯を巻く。

 そしてその冠は、美しき青。


鳲鳩在桑しきゅうざいそう 其子在棘きしざいきょく

淑人君子しゅくじんくんし 其儀不忒きぎふとく

其儀不忒きぎふとく 正是四國しょうぜしこく

 キジバトがクワの上に、

 小鳥たちはイバラの上に。

 よき人や君主は、

 心が定まり、揺らがない。

 だから、地方を任せられている。


鳲鳩在桑しきゅうざいそう 其子在榛きしざいしん

淑人君子しゅくじんくんし 正是國人しょうぜこくじん

正是國人しょうぜこくじん 胡不萬年こふまんねん

 キジバトがクワの上に、

 小鳥たちはハシバミの上。

 よき人や君主は、まさに民を導くお方。

 どうか民を導き、長らくの繁栄を。




○国風 曹風 鳲鳩


ハシバミのごとき君子は、そのすきっとして振る舞いで人々を導く。このようなお方にのもとで、栄えてゆきたいもの……という願望の詩である。




○儒家センセー のたまわく

当詩では親がずっとクワの上に入るにもかかわらず、子は次々と留まる木を移っている! これは「一ではない」ことの表れである! 当詩に描かれるような君子が曹国に現れなかったため、「このような君子に現れてほしい……」と、現状を批判したのである!




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%B8%83#%E3%80%8A%E9%B3%B2%E9%B3%A9%E3%80%8B

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