候人(引用1:小者が握る実権)
かの士大夫は、今や護衛兵。
矛や棒を担いで歩く。
あの男、赤い膝掛をかけて
自信満々でいるのに。
ガランチョウは岸辺にあって、
その翼を濡らそうともしない。
あの男も、その赤い膝掛の
似合わぬこと。
ガランチョウは岸辺にあって、
そのくちばしを濡らそうともしない。
あの男も、人々の奉仕に
まるで報いる気がみられない。
もくもくと南の山に雲が立ちのぼる。
あのかわいらしい女の子も、
ひもじい思いに苦しむというのに。
○国風 曹風 候人
本来高き地位に就くべきものが地位につかず、本来使いっ走りがお似合いな者が人士の中心としてふんぞり返っておることを嘆く詩、となろうか。「そのため、かわいいあの子がひもじい思いをしている」と書かれるわけであるが、この接続は正直よくわからぬ。
○儒家センセー のたまわく
小人が実権を握る愚かしさを歌う詩である! 最終連に出てくる少女は庶民の比喩であるが、このはかなくも賢き少女はいたずらに男について行って姦淫をなすこともなく、飢える道を選んだ! その誇り高さがうかがえよう!
■てめー人選雑過ぎねーか?
三國志11 邴原裴注
夫孝廉,國之俊選也。舉之若是,則殺之非也;若殺之是,則舉之非也。詩云:『彼己之子,不遂其媾。』蓋譏之也。
邴原は孔融(曹操の下で名士として振る舞うも、やがて刑死した人物)の下で働いたことがあった。その時孔融が可愛がっていた部下を殺すとか言い出して、いやアンタあほですか、とばかりに返したセリフの一節である。曰く、孝廉に挙げられる人物はお前の部下じゃなくて国の部下である。そいつを殺すということはそもそも孝廉の選抜に異を唱えるに等しい。つまりお前は当詩で歌われるような分不相応のつまんねー奴を推挙したわけだな? と返すわけである。えぐい。この後孔融は「やだなー冗談言ったんですよははは」と返したのだが、邴原は更に「マジかよ上に立つものがしていいジョークじゃねえぞ、最悪だなお前」と追い討ちにいそしむ。えぐい。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%B8%83#%E3%80%8A%E5%80%99%E4%BA%BA%E3%80%8B
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