隰有萇楚(子らを見守る/政を乱す国君を嘆く)

隰有萇楚しつゆうちょうそ



隰有萇楚しつゆうちょうそ 猗儺其枝あだきし

夭之沃沃ようしよくよく 樂子之無知がくししむち

 沢に茂るイララグサ。

 なまめかしく、しなやかなその枝。

 ああ、元気な若人らよ。

 何も知らぬがうらやましい。


隰有萇楚しつゆうちょうそ 猗儺其華あだきか

夭之沃沃ようしよくよく 樂子之無家がくししむか

 沢に茂るイララグサ。

 なまめかしく、しなやかなその花。

 ああ、元気な若人らよ。

 家の悩みもなくおれるのか。


隰有萇楚しつゆうちょうそ 猗儺其實あだきじつ

夭之沃沃ようしよくよく 樂子之無室がくししむしつ

 沢に茂るイララグサ。

 なまめかしく、しなやかなその実。

 ああ、元気な若人らよ。

 今は家の悩みとも無縁であれかし。




○国風 檜風 隰有萇楚


若々しく生い茂る草花を、外で元気よく遊びまわる子供らに重ね合わせ、いまはただ、現実の苦しみを知らぬまま楽しく育っていってほしい、そのような思いが感ぜられる。現実は、どうにも厳しいものである。切なき願いが感ぜられる。




○儒家センセー のたまわく


檜の国君の政務も顧みず遊び惚けるさまを見て、いっそうらやましい、と皮肉ったのである! 国乱れ民は怨嗟し、やがて亡国へと至る!




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%B8%83#%E3%80%8A%E9%9A%B0%E6%9C%89%E8%90%87%E6%A5%9A%E3%80%8B

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