東門之枌(引用1:町で遊ぶ男女/男女交際の乱れ)
東門のニレ、宛丘のクヌギ。
子仲家の娘が、その下でうろうろ。
よき日を選び、南の草原に。
アサを紡ぐのもさぼって、
街中をうろうろ。
よき日に出かける、
多くの伴を連れて。
そなたはアオイのような美しさ。
私に山椒を送ってくれた。
○国風 陳風 東門之枌
詩だけ見ると、さっぱり何を歌いたいのかわからぬな。婚姻の日が近くなって、気もそぞろになっている子仲家のお嬢様の姿を描き出したのであろうか。それにしてもこの時代に、仏教も入っておらぬのに「婆娑」という単語があったことに驚きを隠しきれぬ。
○儒家センセー のたまわく
陳国が戦乱に飲み込まれたことにより「清く正しく美しき男女の接し方」が崩れ、奔放な出会いに浸ることとなった! そしてここに出てくる山椒もまた巫術に絡むことも多い植物であり、南蛮の俗習の気配がしのばされておるのである!
■遷都? 悪手でしょう
晋書65 王導
苟弘衛文大帛之冠,則無往不可。若不績其麻,則樂土為虚矣。
東晋初期に大いに国威を揺るがした大乱、蘇峻の乱。乱平定後都の建康はほぼ焼け落ちてしまったため、もっと南の予章に都を移した方が良いのではないか、という提案が上がった。それを却下し、王導は言うのである。王者としての覇気を示すための遷都ならば、それはそれでよい。しかし「ろくに麻を紡ごうともしない」=いたずらな安逸を求めての遷都であれば問題外である、と。なにせこの頃東晋の北では石虎が大暴れ。ここで都をうかつに南に引けば弱気になったと見て取られ、石虎につけ入れられてしまうぞ、というのである。やだ王導さまイケメン……。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%B8%83#%E3%80%8A%E6%9D%B1%E9%96%80%E4%B9%8B%E3%80%8B
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