陳風(ちんふう)

宛丘(風紀の乱れ/怪しき祭)

宛丘えんきゅう



子之湯兮ししとうけい 宛丘之上兮えんきゅうしじょうけい

洵有情兮じゅんゆうじょうけい 而無望兮しむぼうけい

 遊び浮かれる人たちが、

 宛丘の丘の上。

 風情はあって楽しそうだが、

 何ともみっともない。


坎其擊鼓かんきげきこ 宛丘之下えんきゅうしか

無冬無夏むとうむか 值其鷺羽ちきろう

 太鼓を打ち鳴らし浮かれる、

 宛丘の下で。

 冬となく夏となく、

 サギの羽を振り回して遊ぶ。


坎其擊缶かんきげきふ 宛丘之道えんきゅうしどう

無冬無夏むとうむか 值其鷺翿ちきろとう

 酒壺を鳴らし浮かれる、

 宛丘に至る道で。

 冬となく夏となく、

 サギの羽をひらひらさせて遊ぶ。

 



○国風 陳風 宛丘


まーた農作業もしないでフラフラ遊びまわって、という感じの詩であるな。宛丘とはよほど見晴らしがよかったのであろう。それにしても孔センセー、この詩のどこを捕まえて心よこしまなしと……




○儒家センセー のたまわく


陳は巫術が盛んにおこなわれていたお国柄であったという! 特にひどかったのが陳の幽公の時代である! 陳という国はやや南方に位置し、南蛮人の風習をもやや取り入れておるため、巫術のような俗習が残っていたのであろう! いずれにせよ風紀風俗の乱れは看過しえぬものである!





毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%B8%83#%E3%80%8A%E5%AE%9B%E4%B8%98%E3%80%8B

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