無衣(あなたの服が欲しい/主権の承認を求める)

無衣むい



豈曰無衣七兮がいえつむいしつけい 不如子之衣ふじょししい 安且吉兮あんしょきつけい

 私のもとにも

 七枚の服がないわけではない。

 しかしあなたのその、

 安らかで良い服には及ばない。


豈曰無衣六兮がいえつむいろくけい 不如子之衣ふじょししい 安且燠兮あんしょいくけい

 私のもとにも

 六枚の服がないわけではない。

 しかしあなたのその、

 安らかで温かい服には及ばない。




○国風 唐風 無衣


普通に読めば、「枚数」にしかならぬ。そうすることの詩は「私もいろいろ服をもっているのだが、それでもなおあなたの着ているその服が欲しい」と解釈できるようになる。第二連になって一枚減ったことにはどう解釈を付けたものかで迷うわけであるが。

なお解釈者の中には「押韻の都合上なので特に枚数にこだわる必要もあるまい」と語る者もおる。そう言うものなのか……。




○儒家センセー のたまわく


当詩で挙がる漢数字は、服に記されている「章」の数である、とされる! これが七つある服とは、即ち公侯の着る服、という意味である! この詩は桓叔の孫の武公が簒奪し、自ら晋公と名乗ったわけであるが、すでに晋公の家にあった公侯の服を着るのでは箔がつかぬため、改めて周王より公侯の服を下賜してほしい、と要望を出したものとされる!

なお詩序では、武公の簒奪が「暗君排除の美事であった」と語る!




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%85%AD#%E3%80%8A%E7%84%A1%E8%A1%A3%E3%80%8B

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