羔裘(ブラック労働/国政の無体を嘆く)

羔裘こうきゅう



羔裘豹袪こうきゅうほうきょ 自我人居居じがじんきょきょ

豈無他人がいむたじん 維子之故いししこ

 羊の着物に豹の袖、かの者は、

 我がよき人を乱暴に使役する。

 仕えるべき人が

 他におらぬわけでもなかろうが、

 この場での馴染みとの縁は断ちがたい。


羔裘豹褎こうきょほうきょ 自我人究究じがじんきゅうきゅう

豈無他人がいむたじん 維子之好いししこう

 羊の着物に豹の袖、かの者は、

 我がよき人を使い潰す。

 仕えるべき人が

 他におらぬわけでもなかろうが、

 馴染みとのよしみは断ちがたい。




○国風 唐風 羔裘


羔裘、要は羊の毛皮で作られたコートを着ているもの。ようは、えらい。そう言った人物が人を容赦なくこき使う。しかし人の縁によって立ち去れない。うーん、これはある意味でブラック企業の典型的なパターンではないのか。「自分が辞めたら大変なことになる」という感覚のみで職場を去れずにいる、あの感覚。毎度作者がハマっているよな。アレだ!




○儒家センセー のたまわく


この詩は晋人が為政者の民を顧みぬ様に悲嘆し、さりとて立ち去れずにおることを嘆いているのである!




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%85%AD#%E3%80%8A%E7%BE%94%E8%A3%98%E3%80%8B

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る