十畝之閒(桑畑でデート/せせこましき地で生きる悲哀)

十畝之閒じゅうほしかん



十畝之閒兮じゅうほしかんけい 桑者閑閑兮そうしゃかんかんけい

行與子還兮ぎょうよしかんけい

 ちまっとした田畑で、

 男女そろってのんびりと桑を摘む。

 やがてはあなたと共に帰るのだ。


十畝之外兮じゅうほしがいけい 桑者泄泄兮そうじゃせつせつけい

行與子逝兮ぎょうよしせいけい

 ちまっとした田畑で、

 男女そろってのんびりと桑を摘む。

 そしてあなたと共に出かけよう。




〇国風 魏風 十畝之閒


桑畑で摘んでいたのは本当に桑なのかなぁ~? 秘密の蜜壺じゃないのかなぁ~? などと言う下品な妄想を逞しくしてしまいかねぬ一品であるな。前半が歌うのは桑畑に「ふたりで行って戻ってくる」だが、後半は「ふたりで桑畑に行き、更にそのままどこかへ行く」である。この時代のオセッセセが基本家の寝室でないことを思えば、あらあらまぁまぁ、という感じである。




〇儒家センセー のたまわく


魏の国は山間にあるため、どうしても田畑の面積が狭い! 閑閑や泄泄とは彼らがせせこましくしか生きられぬことを指す! 家とせせこましい桑畑の往復、斯様にせせこましき生き方しか許されぬ魏国の民のことを嘆くのである!




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%94#%E3%80%8A%E5%8D%81%E7%95%9D%E4%B9%8B%E9%96%93%E3%80%8B

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