魏風(ぎふう)
葛屨(引用1:幼児虐待案件/けちんぼ士大夫)
クズで編んだ薄手の靴にて、
霜柱を踏む。
か弱い女児が、ズボンを縫う。
彼女の衣服は腰も、襟元も、
つぎはぎだらけである。
そうして彼女が編んだズボンを、
貴人がお召しになるのだ。
貴人は腰も低く、ひとと会えば
左側に自らお避けになる。
象牙の飾り物は立派であるけれど、
ただ、どケチなのがよろしくない。
だからこの詩で批判するのだ。
〇国風 魏風 葛屨
宛然左辟と佩其象揥に飛躍があるように感ぜられ、ここに句の欠落があるのではないか、と疑われておるそうである。全体としては、自分の履く靴、着る物にも困っているような少女に縫わせたズボンを履いている貴人は、いや、振る舞いは確かに立派なのだけれど、もうちょっとこう、自分のお召し物にもコストかけてやれよ、もうちょっとズボン編んだ幼女をねぎらってやってもいいんじゃない? といった感じになるであろうか。現代なら虐待案件であるな☆
〇儒家センセー のたまわく
ここで言う魏とは、戦国時代や三国志の魏とはやや指すエリアが違う! 戦国~三国期の魏は洛陽の北東にあたり、どちらかと言えば詩経に言う「衛」に近いエリアであるが、詩経で扱う魏は洛陽と長安との中間を南端とし、そこから北に広がっておる! 太原や平陽の側を流れる汾水流域エリアを指すという! このエリアはいわゆる広い平原には恵まれておらず、そのため人々はせせこましい功利主義に走ることが多かった! それが民衆のみの問題であったならばまだしも、象牙の飾り物を帯びるようなクラスの士大夫であっても同じような振る舞いをする! それはいくらなんでも行きすぎであろう、とこの詩は批判するのである!
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三國志巻12 何夔伝裴注
夔知時制,而甘其寵,挟药要君,以避微耻。詩云『唯此褊心』,何夔其有焉。放之,可也;宥之,非也。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%94#%E3%80%8A%E8%91%9B%E5%B1%A8%E3%80%8B
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