敝笱(斉の姫の不品行と、咎められぬ夫)

敝笱へいこう



敝笱在梁へいこうざいりょう 其魚魴鰥きぎょほうかん

齊子歸止せいしきし 其從如雲きじゅうじょうん

 破れた網を渓流にかけたとて、

 魚たちは捕まるまい。

 斉の姫さまが嫁ぐのに、

 従者はまるで雲のよう。


敝笱在梁へいこうざいりょう 其魚魴鱮きぎょほうしょ

齊子歸止せいしきし 其從如雨きじゅうじょう

 破れた網を渓流にかけたとて、

 大きな魚は捕まるまい。

 斉の姫さまが嫁ぐのに、

 従者はまるで雨のよう。


敝笱在梁へいこうざいりょう 其魚唯唯きぎょいい

齊子歸止せいしきし 其從如水きじゅうじょすい

 破れた網を渓流にかけたとて、

 魚たちは自由に行き来。

 斉の姫さまが嫁ぐのに、

 従者はまるで水のよう。



〇国風 齊風 敝笱


斉のお姫様は、嫁ぎ先でも、強い。外国の公子など「敗れた網のごとく、弱い存在」でしかないのである。斉の姫と、その従者たちが好き勝手するのを、嫁ぎ先の国の者たちはただ見過ごすしかないのである。




〇儒家センセー のたまわく


斉の襄公と近親相姦の仲にあった文姜を批判する詩である! また、彼女の好き放題を食い止めることも叶わなかった魯の桓公の弱腰もまた「破れた魚とり網」と手ひどくこき下ろすのである!




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%94#%E3%80%8A%E6%95%9D%E7%AC%B1%E3%80%8B

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