甫田(千里の道も一歩から)

甫田ほでん



無田甫田むでんほでん 維莠驕驕いゆうきゅうきゅう

無思遠人むしえんじん 勞心忉忉ろうしんとうとう

 田畑を無駄に広げるな。

 ハグサが生えて手におえぬ。

 遠くの人に思い悩むな。

 ただ心が痛むだけ。


無田甫田むでんほでん 維莠桀桀いゆうけつけつ

無思遠人むしえんじん 勞心怛怛ろうしんたつたつ

 田畑を無駄に広げるな。

 ハグサがはびこり始末に負えぬ。

 遠くの人に思い悩むな。

 ただ心が悩むだけ。


婉兮孌兮えんけいれんけい 總角丱兮そうかくかんけい

未幾見兮みいくけんけい 突而弁兮とつじべんけい

 かわいいあの子はあげまきを結っていた。

 しばらく見ぬ間に、もう立派な若者。




○国風 齊風 甫田


遠きをなすにはまず近きをもってせよ、であるな。日々は確実に積み上がり、紅顔の少年もやがては青年となる。確実に、一つ一つを積み上げること。遠き先はそれでも見るべきとも思うのだが(例えば当作は詩経全作に接することを重視しておる)、それでも、目の前のひとつをおろそかにせず、確実に触れていくことが大事なのだとも感じている。その先にあるのは、史書中の豊穣なる文章表現への理解の深まりである。

とは申せ、振り返るだに散漫な接触になっている詩も少なからぬ。進み続けることは最低限としつつも、過去の接触がハグサまみれになっておらぬかは点検してゆきたいものである。




○儒家センセー のたまわく


斉の襄公が地に足つかぬ、誇大妄想的な政策を取ろうとしたことを批判した詩である! 民を省みることもなく外征&外征を繰り返し、終いには殺されるのだから救われぬ!




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%94#%E3%80%8A%E7%94%AB%E7%94%B0%E3%80%8B

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