還(称えあう狩人/政務を放り出す領主)
あなたのその素早さ。
わたしとは
馬首を並べ、二頭のイノシシを追う。
あなたは両胸に手を当て、会釈され、
「あなたも素早くいらっしゃる」と
わたしを讃えてくださった。
立派なる、あなた様よ。
わたしとは
馬首を並べ、二頭の牡の猪を追う。
あなたは両胸に手を当て、会釈され、
「素晴らしい」と
わたしを讃えてくださった。
あなたの輝かしささ。
わたしとは
馬首を並べ、二頭のオオカミを追う。
あなたは両胸に手を当て、会釈され、
「巧みな方である」と
わたしを讃えてくださった。
〇国風 齊風 還
二人の狩人は
なお還を「せん」と呼ぶのになんでやねん、とツッコミたかったのだが、辞書を調べると、確かに漢音として「セン」が記載されておった。まったく用法が思いつかぬためきょとんとしておるのだが、まぁ、そんなものと思うより他ないのであろうな。
〇儒家センセー のたまわく
表向きは狩人たちの腕前を褒め称える詩であるが、内容そのものが「功績をたたえ合う」ものであることに注意を払わねばならぬ! すなわち一種の功利主義的なものが見え隠れするわけであり、これは斉の哀公が政務を放り出して狩りにばかりうつつを抜かしておったことを謗るのである! なお斯様に表向きは批判でないように見せかけつつ批判を繰り広げるさまを、清後期の学者、方玉潤は「不刺の刺」と呼んだ!
〇崔浩先生、無の顔
(ほとんどの詩が「不刺の刺」に当てはまってくる気もするのだが……?)
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%94#%E3%80%8A%E9%82%84%E3%80%8B
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