野有蔓草(引用7:美人を求める/伴侶に出会えぬ若者)
野辺のツタクサ、露で湿る。
美しき人は清く、しなやか。
あのそんな方に会えることを、
願ってやまないのだ。
野辺のツタクサ、雫をこぼつ。
美しき人はしなやかで、すらり。
あのそんな方に会えるたなら、
とても好ましきこと。
〇国風 鄭風 野有蔓草
朝露にてうるおされるツタクサのごとくしなやかなるお方。まぁ、あれだ。エロいな。表現が。ストレートで大変によろしい。
〇儒家センセー のたまわく
君主の恵みが下々に行き渡らず、男女はうまく婚姻の縁に巡り合えずにおる! どこかに良い縁はあるまいか、と求めるのである!
■明らかにしゅけべ詩判定
・晋書38 評
既而地疑致逼,文雅見疵,紞勖陳蔓草之邪謀,武皇深翼子之滯愛。
・晋書71 王鑒
蔓草猶不可長,況狼兕之寇乎!
・晋書86 張天錫
睹松竹,則思貞操之賢;臨清流,則貴廉潔之行;覽蔓草,則賤貪穢之吏;逢飆風,則惡凶狡之徒。
・晋書103 劉曜
『春秋傳』曰:'蔓草猶不可除,況君之寵弟乎!
・宋書61 劉義真
臣聞原火不撲,蔓草難除,青青不伐,終致尋斧,況憂深患著,社稷慮切。
・宋書74 顔延之
更希異寵,直以蔓草難除,去惡宜速,是以無顧夷險,慮不及身。
・宋書79 文五王
且蔓草難除,燎火須撲,狡扇之徒,宜時誅剪。
「蔓草」は「はびこるもの」であり「良からぬもの」であるが「除去が極めて難しいもの」でもある、と各引用が語る。なおあからさまに故事成語と化しておる「蔓草難除」は、春秋左伝の隠公元年より。鄭の荘公の弟、共叔段は鄭国内で荘公を転覆しかねぬだけの実力を備えつつあった。その様子を憂えた鄭の大臣である祭仲が「禍根は早いうちに摘みなさいよ!」よろしく言ったのが「蔓草難除」である。さて、これは左伝と詩経、どちらの成立が早いのかな。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E9%87%8E%E6%9C%89%E8%94%93%E8%8D%89%E3%80%8B
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます