鄭風(ていふう)
緇衣(引用2:夫の出仕を誇る/君主を誇る)
なんと黒いおめしものがお似合いか。
もし破れてしまったら、
縫い直して見せましょう。
お勤めがお済みになったのち、
お戻りになったあなたを、
夕飯の支度をしてお待ちいたします。
なんと黒いおめしものがお映えになる。
もし破れてしまったら、
作り直して見せましょう。
お勤めがお済みになったのち、
お戻りになったあなたを、
夕飯の支度をしてお待ちいたします。
黒いおめしものが、立派に見えます。
もし壊れてしまったら、
新しくお作りしましょう。
お勤めがお済みになったのち、
お戻りになったあなたを、
夕飯の支度をしてお待ちいたします。
〇国風 鄭風 緇衣
黒は朝廷の生服。出仕の為にきっちりと仕立てられた立派な黒い着物を、やはり立派な人が着るとさらに映える、といった内容である。立派な夫のお勤めを誇らしく見送る、といった感じであろうかな。「もし破れたら」が毎回ついて回ることにやや政争のきらいも見出せぬことはなきよう思うが。
〇儒家センセー のたまわく
この詩は鄭の武公の偉大なるを讃えるものである! 武公、およびその父の桓公は周の司徒にまで上り詰めた! 大いなる周を文字通り支えた存在である、と言っても過言ではあるまい! それにしても「武」を諡される人物はみな偉大であるな!
■陸雲、同郷の名士を推挙
晋書54 陸雲
棲靜隱寶,淪虛藏器;褧裳襲錦,緇衣被玉。
張贍という人を推挙した時の言葉である。ひそやかな宝、密かに湛えられた器、あでやかなる絹の着物、宮仕えの着物を着た宝玉と、まぁ歯の浮く褒め言葉が炸裂しておる。
■孝武帝陛下、わけがわからないよ
宋書74 臧質
臣誠庸懦,奉教前朝,雖恧緇衣好賢之美,敢希巷伯惡惡之情,固已藉風聽而宵憤,撫短策而馳念。
臧質は劉宋武帝の妻の甥。すなわち、外戚である。皇帝家より大いなる信任を受け軍事力を得もしたが、徐々に不和となり、遂に謀叛の疑いをかけられ、追い詰められ挙兵。その中の一節……なのだが、「緇衣にある好賢の美」なる語句が見えるのは朱子学的解釈のほうであり、毛詩鄭箋にはまるで見えてこぬ。これはどう解釈したものか迷うな……。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E7%B7%87%E8%A1%A3%E3%80%8B
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