中谷有蓷(夫との別れを嘆く/国の乱れを批判)
谷間のメハジキが枯れ、
かさかさとなっている。
妻が夫と別れ、
嘆き、嘆じている。
なぜなのだろうか。
飢饉のため家を保てず、
離縁となったのである。
谷間のメハジキが枯れ、
しおれている。
妻が夫と別れ、
憂悶の吐息を切らせずにいる。
なぜなのだろうか。
家庭に起こった不幸が、
二人を引き裂いたのである。
谷間のメハジキが枯れ、
雨に打たれている。
妻が夫と別れ、
ひっく、ひっくと嗚咽する。
泣いたところでなにも変わらないと、
わかってもいるのだけれど。
〇国風 王風 中谷有蓷
いきなり地獄のような詩がぶち込まれてきたな……「艱難」「不淑」については、普通に最大級の不幸、すなわち夫の死と解釈することも可能であろう。なお現代中国で「不淑」は女性が結婚相手を間違えたことを指す、と言われておる。無論その視点から展開し、邶風・谷風や衛風・氓のような詩であるとして解釈することも叶うであろう。一つ確実に言えるのは、読み手に取ってどう作用したかが大切なのであり、それを第三者がいたずらに制限するようなことがあってはならぬ、であろうか。うむ、儒家センセーに聞かれたらしばかれそうであるな。
〇儒家センセー のたまわく
しばかぬ! 論理的欠陥を指摘するのみである! 王風に記載されている以上周の東遷に絡む内容であることが確定的に明らかであり、すなわち周の王室が民を守れなんだことによって各家族を襲った不幸を描き、それをもって周の王室を批判しておるのである!
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E4%B8%AD%E7%A9%80%E6%9C%89%E8%93%B7%E3%80%8B
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