終風(顧みられぬ妻の悲哀)
結婚 妻→夫 見限り 衛荘公
日夜吹き荒れる風。
あの男は私を笑う。
嘲り、虐めの笑い。
わが心はいたむ。
風は土ぼこりを上げる。
あの男はときに優しく
我がもとに至るが、
またぱったりと来なくなる。
私はまちぼうけ。
外は大風、空はどんより。
晴れ間などわずかなもの。
眠れぬまま横になる。
咳をしても、ひとり。
寤言不寐
どんよりとした曇り空、
雷がごろごろ。
眠れぬまま横になる。
それでも、あなたを思ってしまう。
〇国風 邶風 終風
日月と同じようなテーマであるな。何というか、演歌かな?
〇儒家センセー のたまわく
「衛莊姜傷己也。遭州吁之暴,見侮慢而不能正也。」
衛の荘公の妻、姜氏が
〇崔浩センセー 天丼にびっくり
いやまぁ確かにその方向で解釈すれば物語が成り立つし、よいのだが、なんというか、こう……その方向で「だけ」解釈せぬでもよいのではないか、という気もせぬではない。日月もそうだが、そこにもたらされる詩情を、下手に一つの物語にのみ押し込んでしまうのは、いささかもったいない気もするのである。
■きみとはしばしお見限り
ゆくもなく、来るもなし。後漢書では王常が光武帝と以前味方同士であったが、その後敵味方に分かれたときの見限りの時の言葉として用いられておる。晋書のほうはなにぶん礼志に載る話なのでとんとわからぬのだが、まあ情に違える何かであったようである。
・後漢書15 王常
每念往時,共更艱戹,何日忘之。莫往莫來,豈違平生之言乎?
・晋書20 礼中
義不踰祖,莫往莫來,恩絕殊隔,而令追服,殆非稱情立文之謂也。
■迫り来る夜の帳
後漢書28.2 馮衍下
日曀曀其將暮兮,獨於邑而煩惑;夫何九州之博大兮,迷不知路之南北。
馮衍は光武帝に最後まで抵抗したが、ついには投降した武将。後漢政権でしばしば上奏をなすも受け入れられず、ついには郷里に隠退したという。ここにある一節は「顯志賦」と呼ばれるものにあるのだが、来歴よりすれば「だんだんと暗くなりつつある」様子を、自らの心情に重ね合わせたのやも知れぬ。もの悲しき気配を漂わせておる、ような気がする。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%8C#%E3%80%8A%E7%B5%82%E9%A2%A8%E3%80%8B
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