第68話:拷問のお時間ですよ!
「ま、待ちなさいよ! これからあたしたちをどうするつもりよ!」
ラフィネがレイドへと焦りの声を上げた。
周りはレイドに任せるといった様子である。
「……見せしめで首を送り付けるか?」
その言葉にフランに四天王、幹部達も賛成の声を上げる。
「なら決定だな」
「ふ、ふざけるんじゃね!」
「そ、そうだ!」
「こんなところで死んでなるものか!」
四人が決まったかのような死の宣告に、青い顔をして泣き叫ぶ。
だが、ラフィネはまだ諦めていないようだった。
「そうだ。勇者のお前には聞きたいことがあるからまだ殺さないでおく。他の者三人も少し聞きたいことがあるからな。その後なら好きにしてくれて構わない。殺すも実験に使うも自由だ」
レイドの言葉に魔族たちが笑みを向けていた。
だが何人かは警戒している奴もいた。
「そんなことを言って逃がすんじゃないのか?」
一人の言葉に他の者達も同調するが、レイドは首を横に振って否定した。
「しない。不安なら監視でも付けるか? 俺は別に構わない。好きにすると良い」
「そうか。なら監視を付けることにする」
「ああ。フラン。何かあるか?」
レイドの言葉にフランは首を横に振る。
「レイドの好きにしてくれ」
「ああ」
こうしてこの場は解散となり、レイドは勇者達を地下の牢屋へと連れて行った。
魔族も監視役として数人同行していた。
四人別々に牢屋に入れられレイドを睨む。
「出せ!」
トロワがそう叫ぶ。
「黙れよ。そうか。そんなにも先にやりたいのか?」
「やりたい……は……?」
これから何をされるかわかっていないようだった。
レイドは監視として付いてきた魔族へと尋ねる。
「部屋はあるか?」
「ここに部屋と言いますと、監視の部屋と拷問部屋がありますが?」
「そうか。なら拷問部屋に案内しろ」
拷問部屋と聞いて顔を青くする面々。それはラフィネも例外ではなかった模様だ。
勇者なのに顔を青くしてガクガクとしていた。
「では行こうか――トロワ」
「や、やめろ! 殺すなら殺せ! 俺は何も知らないぞ!」
「そう言うな。すぐに済む」
トロワを引きずって行き小一時間。
牢屋へと瀕死のトロワが投げ捨てられた。
「「「トロワ!」」」
青い顔をしながら名前を叫ぶ三人。
トロワに何があったのかと言うと、背中は全面が軽く焼かれた後に鞭で何度も叩かれ、次に両手両足の爪を剥がされ、その上から細い針を何度も浅く突き刺した。
下半身は皮膚が少し削がれていた。
この拷問を見た魔族は途中で退出していた。
とても人が出来る方法ではなかったからだ。
それとトロワはレイドを売った理由なぞ色々と王国の内情も喋ってくれた。
ダイリにも同じことをやり、早い段階で喋ってくれた。
トロワ以上に酷い目には遭いたくは無かったのだろう。
そしてエリスの番になるときには監視がいなくなっていた。
流石にここまでやっていたのだから、レイドに逃がすつもりがないと分かったらしい。
エリスは王都に行くと男と朝まで遊んでいたのを思い出し、腹部の一部と顔を重点的にやった。あれでもう男は近寄ってこないし、子供も産めなくなったのだ。
情報は大臣達とも絡んでいたからか、そこそこの情報を持っていた。
そしてレイドを裏切った理由。それは金と地位の向上であった。
なんせレイドを裏切ったら貴族の上の地位を用意してやると国王から言われたらしい。
トロワとダイリに限っては女も用意すると。
バカバカしい話だ。欲に目が眩み死ぬのだ。なんとも間抜けである。
よく勇者の一行に選ばれたものだ。そう思いながら、最後となったラフィネを相手するのだった。
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