シリアスなムードの2話までの流れから、ここに至った経緯の過去編(本編)が
始まった途端、急ヘアピンカーブのように180度反転。
ズレまくりな主人公と、そのまわりを囲む人妻やメイド・可愛い同級生たちと
ハーレム要素あり。
よくあるテンプレかと思いきや、いきなり我々(読者)も裏切られる。
気軽なテンポでサクサク読んでいると、出会いがしらのフックのように
突然物語に振り回される。
もうボケ×異世界には、ツッコミを入れるのに体力が必要だと初めて知った。
そうして怒涛の後半の展開に――。
あなたもこの笑撃の事実をその目で確かめて欲しい。
そうして一矢、我の代わりにツッコんでおくれ。
あとは任せた……ぐふっ ぐふぐふ(笑)
本作は男子高校生である主人公が異世界を救うために召喚され、そして帰還を果たしたところから始まります。しかし、ただ一人だけ戻ってくることが出来た彼には、もはや元の生活を生きることは出来なくなっていました。
そんなショッキングなシーンから始まる物語は、やがて彼が最初に異世界に転移した場面に切り替わります。そこには他に5人の同級生(女子)がおり、みな勇者やそれに近しい職業や高い能力を得ていましたが、主人公には庇護という謎のスキルと一般人と比較しても低い能力しかありませんでした。
お付きのメイドにはバカにされ、癖のある王族にも翻弄される彼でしたが、持ち前の腰の低い処世術により、事態の改善に努めていくのでした。
各話がそれほど長くはなく、しかしコミカルかつ要点を抑えているため、とても楽しくスムーズに読み進めることが出来ると思います。
チート狩りのようなアンチ異世界ものではありませんが、昨今の異世界転生(転移)ものに一石を投じるものとして、それらが好きな方にも、そうでない方にもお薦めの作品です。