永遠の描き方

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永遠の描き方

 愛する者を永遠にするためにはどんな方法を用いれば可能になるのだろうか。

 少なくとも俺は一人、愛する者を永遠にしようと自らの持ち得る技術と知識で形にした友人がいる。彼の方法が正しいか正しくないかで言えば、明らかに正しくないのだけれど、その愛と熱量に偽りは無いという点で評価している。

 これは当時の覚え書きだ。それ以上も以下もない。懐かしい日々を回顧するだけの、日記にも満たないメモだ。



 あくび混じりに伸びをして、おもむろにスマートフォンの画面を触るとニュースの通知がきていた。どうやら平年より十日ほど遅く梅雨明けしたとのこと。

 雨は大学に着く頃には止んでいた。窓から外を見上げれば、数週間ぶりの青空が広がっている。遠くに見える家々の梅雨に洗われた屋根は、日の光に照らされて輝いていた。

 この五階の研究室から見える景色は、展望台のように見事な眺望が望めるわけではなくこの辺りの住宅と遠くにある市内のビルしか見えない。けれど俺はこの景色が存外気に入っていた。

 ここからは人の営みが垣間見える。

 幼子をベビーカーに乗せてスーパーに向かう夫婦。

 原っぱで大学生のしているサッカーに混ざり走り回る子ども達。

 体育館の入り口のガラスを鏡に見立てて踊る、サークル活動に勤しむ学生。

 人の生きている様子が見えて、自分の研究にも身が入る。自分の研究は、人が生きるためにしている研究だから。ここから見える人達にもきっと役に立つはず。

「中町、いるか?」

 名前を呼ばれて振り返ると、見慣れた友人が挨拶をするように手を上げていた。モヤシとかフキとか、そんな形容が似合う出で立ちで背が高く細長い。着方が難しそうなモノトーンの服はだぼついているせいで余計に細さが際立つようだ。線の細さとは反対に、妙に自信ありげな瞳が魅力的な男。

久留井くるいは美術学部だろう?よくこんな遠いとこまで休み時間に来るね」

 俺のいる薬学部と久留井の学舎は大学の敷地の端と端に位置している。東から順に、芸術系・文系・理系の学舎が並んでいて、文系と理系の間には道路も通っているのでかなり距離がある。校内を自転車で移動する者もいるほどだ。

「同じ敷地内だし」

「徒歩二十分もかかるのに? ほっとけば運動不足になるお前には丁度いいか」

 理系学部の集まる棟に、この男は頻繁に現れる。俺を訪ねてやってくるので無下にも出来ず、来たときはいつも昼飯を一緒に食べることにしていた。

「片付けるからちょっと待ってて」

 机に広げていたルーズリーフと教科書をカバンに放り込んでいく。その間に久留井は実験室を覗いていた。今いるのはデスクのある部屋で、隣が実験室になっている。

「実験室には誰もいないのか?」

「ああ、いないよ。入っても良いけど、何も触るなよ」

 久留井は「おじゃましまーす」と一言言って、実験室に入った。一通り回ると満足したらしく、近くの食堂へ向かう。

 食堂は昼前なのでまだ混んではいなかった。席を確保して俺はサラダと唐揚げ丼、久留井はここのメニューで一番安い二百円の素うどんを頼む。

「お前、ちゃんと食えよ」

「苦学生には金がないのさ。そもそも金があれば苦学生じゃない」

 痩せてはいるが元は少食という訳ではないらしい。人の奢りで焼き肉屋に行ったときには、この機会を逃すまいと良い肉を大量に頼んで平らげたのを知っている。服装もセンスが良いせいでおしゃれで高そうなものを着ているように見えるが、多くはユニクロや古着屋で買っているらしい。

 仕送りは無く、大学も奨学金を借りて通っていると聞く。土日は終日アルバイトをして、平日は授業と絵を描く時間に当てていると言っていた。そのせいでいつも生活がギリギリだ。平日にアルバイトを入れないのはそれ以外の理由もあるのだが。

「最近はなんか描いてるのか?」

 専攻は確か日本画専攻だった覚えがある。芸術には疎いので、たまに誘われて展覧会に行っても良さは分からない。説明をしてくれれば、なんとか理解には至るけれど。

「俺は《永遠》を描いている最中なんだ。まだ準備段階なんだがな」

「永遠……?」

「完成したら見せるよ」

 《永遠》という、形の無いものを書くというのはどういうことなのだろう? 《永遠》という概念的な物を描くのだろうか。あまり抽象画は描かないようだし、普段であれば具体的に描いているものを答えるので、俺の耳に《永遠》という言葉が印象深く残る。

「楽しみにしてる。今日は何時に帰ってくる?晩ご飯持っていくけど」

 美術学部のこいつと俺は本来であれば全く接点がないのに、なぜこんなにつるんでいるのかといえば、単純に下宿先が隣同士なのだった。

 当初は顔を合わせれば挨拶するくらいだったが、少し話をして苦学生と知ってからは飯を多めに作って持っていっている。たまにポンとバイト代が入れば奢ってくれるし、久留井と話しているのは面白いので、持ちつ持たれつの関係は成立していた。

「彼女のところ行くだろ?」

「授業無いならお前も来るか?」

「午後は一般教養の授業が入ってるからなぁ。また今度行くよ」

「それなら仕方ないな。多分七時には帰ってると思う」

「じゃあまた、夜に」

 食器を下げて俺は次の教室へ、久留井は彼女の元へと向かった。



 久留井には彼女がいる。

 高校のときから付き合っているらしく、市内の大学に通っていて俺も何度か会ったことがある。しかし今は休学していた。病にかかり入院しているからだ。

 一篠花いちしのはなという名前の通り、花のように可愛らしい女の子。背は低く、髪はボブで、目はくるりと丸い、小動物で言えばリスを思わせるような人だった。

 名前に花の名前が入っていると良くないと言う。曰く、花は綺麗だが枯れていくから短命になるのだと。悲しいことに彼女はその名の通り、見目も心も綺麗で美しくあるが命を枯らそうとしている。余命は残り一年と宣告されていた。

 彼女は田舎から出てきていて、親も自営業らしく頻繁に病院まで行けないという。だから平日は久留井が看病して必要なものを届けていた。

 以前、久留井に連れられて一篠さんに会ったとき、病室で待っていた彼女は久留井の姿を目にしただけで、パッと花が咲くように笑った。本当に嬉しそうで、久留井もそんな一篠さんに俺も見たことが無いくらいの優しい笑顔を向けていた。

 本当に素敵な二人だ。この時間がもっと長く続けば良いのにと、胸が苦しくなる。

 そんな久留井に何か出来ないかと思って、晩ご飯を持っていくようになったというのもあった。久留井こそ体調を崩してほしくないし、出来る限り負担を減らしてやりたい。

 夜七時。

 鍋ごと持って久留井の家のチャイムを押そうとするも手が塞がっていて押せない。仕方なくノブに腕を引っ掛けると開いたのでそのまま中へと入る。

「久留井いるかー?ちょっと底が黒く焦げたんだけど、スープカレー持って━━」

 目にしたものに、息を呑んだ。

 久留井の部屋は入るとそのままリビングになっている。ほとんどアトリエと化している部屋の真ん中には、描きかけの絵が置かれていた。下絵の途中なのか色は薄くしか塗られていない。

 久留井は描いている途中で眠くなったのだろう、身体を丸めて眠っていた。その側に、この部屋に似つかわしくないものが置いてある。

 血液の入った注射器があった。針を取ったシリンジだ。そこからパレットに少量出して、筆に付けた跡もある。

 下絵に書かれているのは一篠さんで、絵の中の彼女は眠る久留井を見守るかのように優しく微笑んでいる。

 久留井が小さく唸りながら起き上がった。

「悪い、眠りこけてた。晩飯ありがとう」

「お前……正気か?」

 自分の言葉の語気が、無意識に強くなる。

 俺の予想が正しければ━━久留井は人の血液を絵の具にして絵を描こうとしている。

「これは一篠さんの血?」

「そうだよ」

 久留井は穏やかに微笑んだ。

 さながら罪を認める人のように。

 これが人道に反することだと、久留井は理解しているようだった。

「彼女の血で絵を描くのか?」

「そう」

「なぜ?」

「どうして人間を描くのに人工の顔料を使わなければいけないんだ? 人間で人間を描くのは理に敵っているはずだ」

 久留井が画材を片付けていく。血液は冷蔵庫へと仕舞われた。

「血で絵を描いて何になる。しかも病床に伏している彼女に、負担をかけるような真似をするなんて」

「俺は彼女を《永遠》にしたい」

 強い言葉で、久留井は言う。惑いなど一つもない、決意を固めた者の言葉だ。

「愛する人を愛する人で描けば、絵の中で彼女は《永遠》になる」

「彼女の絵を描けば、彼女は永遠にこの世に存在するとでもいう気か」

「そう。永遠を求める心はいつの時代も持ち得るものだろう? 不老不死を求め、錬金術師は賢者の石を作る。現代医療は研究を重ね、一年でも長く寿命を伸ばす。死は万人に訪れる普遍的な恐怖だ。抗うのも当然と言えよう。錬金術師も研究者も各々の方法で永遠を求める。ならば画家たる俺は、俺の方法で《永遠》を形にしよう」

 自分の考えが揺らいだのを感じだ。

 狂おしい愛と狂おしい望み。

 俺も研究者の端くれだ。何かに挑む者がいれば、止めるのではなく背を押そう。それがどんな挑戦であっても、挑戦する者を止める権利など何人足りとも持ちはしない。

 そこまで聞いて、俺の口許が自然と吊り上がっていることに気が付いた。

 ああ━━だから、久留井といるのは面白いんだ。

「なるほど、永遠を求めるのは人間の本能的な欲望にも近いからな。……絵は赤色だけで描くのか?」

「いや、人間の血だけで三原色は揃えられそう……って良いのか?」

「彼女も同意しているならいいんじゃない?」

「もちろんしてる。てっきり反対されるもんだと」

「あ。あの注射器、実験室から盗っただろ? 窃盗だぞ」

「……それは謝る」

「まぁ二、三本くらいなら多分バレないだろ。注射針の使い回しだけはしたらダメだぞ」

「おう、気を付ける……」

「で、他の二色は?」

「血は抗凝固剤を入れれば固まらないと聞いた。それを遠心さえ出来れば、人の血漿は黄色い」

「それで二色だな。遠心はうちの実験室使えば出来るし。青色は?」

「知ってるか? 血液からは青い顔料が取れるんだ。古くからプルシアンブルーという顔料があって、それは血液と炭酸カリウムを混ぜて硫酸鉄で反応させれば作れるんだ。膠に混ぜれば絵の具になる。プルシアンブルーは北斎や若冲も使っている。富岳三十六景の青色は今でも退色せず鮮やかな青色をしているだろう?植物の露草や藍を使ってもあんなに綺麗には発色しない」

「あの青色は動物性の絵の具なのか。絵の具は植物とか鉱物とかから作られるとばかり思っていた」

「当時は輸入していたし、牛の血から作っていたそうだがな」

「牛で思い出した。飯、食おう」

 小さい折り畳みの机を開いて真ん中に鍋を置き、冷凍しているご飯をレンジで温める。

「苦かったらごめん、底の方とか黒いと思う」

「いいよ、作ってくれるだけありがたい……あーこれは苦いな」

「チーズ入れたら美味かろうと思ったんだが、溶けて沈んで焦げたんだ」

「食べるときにチーズをかけたら良かったのかも」

「失敗しないと分かんないことってあるもんな。次からはそうする」

「食えるし問題は無い」

 スープにまで苦味が移っていたが、仕方ない。舌の上のカレー味を追うようにして食べ進める。

「お前って自分で採血してるの? あんまり一篠さんに無理はさせるなよ?」

「血は一度に抜いたりはしない。無理はさせられないから。そういえばお前って採血出来るんじゃないの?」

「臨床検査技師取るつもりだし、お前よりはやってるだろうけど」

「やってくれたりは……?」

「しませんね。まだ資格は持ってないから犯罪よ。巻き込まれたくないし」

「巻き込まれたくなくても、お前は誰かに話したりもしない。見届けるつもりだろう?」

 俺はゆっくりと頷いた。手伝う気など更々無かったが、久留井の行為を咎める気もなかった。

「永遠に興味がないやつなんていない」



 一篠さんの病室は六人部屋の窓際で、本を読みながら俺たちを待っていた。この病院には小さな図書館があるらしく、本の裏には病院の名前が判子で押されていた。

「中町くん久しぶりだね」

「久しぶり。今日は体調良さそうだね」

「外暑かったでしょう? 夏だから海とか行きたいよね」

 随分痩せたようだったが、思ったよりは元気そうだ。痛み止めが効いているだけなのかもしれないが。

 詳しい病状は聞いていないが、肺が悪いのだという。よく見れば小さな深呼吸を頻繁にしていた。肺胞がまともに機能していないのだろう。

「一篠さんは、久留井が何を描いているのか知ってるんだよな?」

「もちろんだよ。《永遠》を描いてくれるんでしょう? 主治医にはもちろん内緒だけどね。大丈夫、そんなに一度に血を抜いたりはしないし、注射の穴が少し増えたところでバレないから!」

 彼女の冗談に、俺は少しも笑えなかった。

「まだ二十年くらいしか生きてないんだもん。少しでも残せる物があるなら、残しておきたいじゃない。久留井くんの提案にはびっくりしたけどね、やっぱり《永遠》って憧れるし、この状況なら尚更。中町くんは薬学部なんだよね?」

「そうだよ。新しい薬を作る研究者になるつもり」

 生きようとする人のために、病気を克服するための薬を作りたい。彼女のような人のためにも。

「いつか《永遠》の薬を作ってね」

「……俺には《永遠》は作れないと思う」

 無邪気に言う彼女の言葉に、俺は首を横に振る。

 事実だ。俺は錬金術師じゃない。《永遠》なんて途方もないものの約束は出来なかった。

「でも、病を治して少しでも長く生きられるような薬は作りたいと思うよ」

 その答えに満足したように、彼女は鈴のような声で笑った。

 それから数ヵ月も経たない内に、俺は久留井の家に呼ばれた。絵が完成間近なのだそうだ。

「《永遠》がやっと出来たんだな?」

 部屋のキャンバスには彼女が描かれている。

 青色ばかりが鮮やかな、不自然な色調。それなのにどこかまとまりがあり魅力的に見えるのは、元は一つの彼女という身体から出てきた色だからだろうか。

「なんか……少し物足りなくない?」

 どうしてか何かが足りないと感じた。元の原料が血なので赤や黄色が鮮明ではないのは仕方ないが、このまま完成というにはお粗末過ぎる。

「よく分かったな、三原色だけでは思ったようにはいかなかった。やっぱり白色と黒色がないと締まらなくて。けど大丈夫、アテはあるんだ」

 アテがある、という言葉が嫌に引っ掛かる。

「アテって?」

「すぐに分かるよ」

 切なそうに彼は言った。

 それからしばらく久留井は絵に手を付けることは無かった。何度か絵を完成させないのかと聞いたが、「絵の具が手に入らなくてね」と返されるだけだった。

 一年半ほど絵は部屋の片隅で布を掛けられたまま放置され、うっすらとホコリが積もっていった。



 花の咲かない、冬の日のこと。

 積もった雪は全てを無機質な白色で飲み込んでいく。いつものように研究室の五階から見下ろすも、外に出ている人も少なくみんな寒そうだ。

 冬は生気を感じられない。

 指先が冷えてペンを持つ手も震えてしまうから、はぁと息をかけて暖める。

「中町……」

 背後からいつものように久留井が俺を呼ぶ。その声は、いつもと比べればあまりに暗い声だった。幽霊のようにゆらゆらとこちらへとやってきて、俺の前まで来ると膝から崩れてしまう。ひどく憔悴しているようだった。

「花が死んだ」

 ついに、この日が来てしまった。

 いつか来るとは分かっていても、喪失感に押し潰されそうになる。告げられていた余命より半年ほど長く生きたけれど、会うたびに彼女の肌の白さは増していき、この世界を手離そうとしているかのようだった。

 美しい花もいつか花弁を散らすように、一篠さんも命を散らしてしまったのだ。

 久留井は静かに泣いていて、嗚咽と共に震える背にかける言葉は中々見付からなかった。俺もだんだん視界が滲んでいく。生きているものに、永遠なんて無い。いつかは終わりが訪れる。

「《永遠》は彼女の生きている間に完成しなかったのか……」

 久留井はゆっくりと首を振った。

「大丈夫。彼女はそうなることを知っていた。《永遠》はやっと完成するんだ。だから大丈夫」

 穏やかに彼が言う。

 葬式には俺も参列した。みんな一様に黒い喪服を着て、彼女を悼んでいる。

 葬式場は火葬場が併設されていた。見上げた冬空は曇っていて白く、降る雪も真っ白で一篠さんのことを思い起こさせた。

 彼女の骨も、この雪のように白いのだろうか。

 そのときに俺は気付いてしまった。白色と黒色の絵の具について。きっと俺の考えは正解だろう。これなら確保できる。生きている内に完成しない謎も解ける。

 葬式が終わり、久留井が彼女の両親に話し掛けに行っていた。お悔やみの言葉を述べるだけでは無いのだろう。俺はそこで何を話しているのか分かっている。

 悲しみのままに涙を流す彼は、骨を少し分けてもらえないかと頼んでいるのだ。両親は久留井が献身的に彼女の看病をしていたことを知っていたから、快く頷いているようだった。

 ━━これで白色と黒色は揃った。

 彼女の《永遠》は、彼女の死をもって完成する。

 白は骨をそのまま砕いて膠に混ぜればいいだろう。骨は八百度以上で燃やせば黒く炭化し、骨炭になる。それも同じように、絵の具にしてしまえばいい。

 もうすぐ絵が完成する。

 永遠まで、あと少し。



 数日後、もうすぐ完成するからと久留井に部屋に呼ばれた。

 カーテンを開けた部屋の真ん中には、久々に布を外されたキャンバスがある。

 久留井の左手のパレットには、彼女の骨から出来た白色と黒色の絵の具があった。筆に丁寧に絵の具を付けて、キャンバスに向かう。ずっと完成形をイメージしてきたからだろう。運ぶ筆に迷いはなく、彼女の姿を描き写すように筆を動かしていく。

 最後に瞳を描き、白く光を入れる。

 そのとき、彼女がここで生き始めたの分かった。

 一篠花は、ここにいる。

「これで一篠花は風化しない。この絵がある限り、花は永遠にここにいる」

 空と海の青い背景に彼女はいる。淡い黄色のワンピースに、白い帽子を被っていて眩しそうに目を細めて海を眺めている。一篠さんがこちらを振り向いた。「海、綺麗だね」と言う声が聞こえる。鈴のように笑う声さえも、聞こえてくるようだ。

 その瞳の先には久留井がいる。

「いつも側にいるよ」

 永遠を誓った二人が、海辺で優しく笑い合っていた。

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