第6羽 部活寮サイアク
「なんでこんなに広いんだよこの寮!」
迷子になったのは広いせいだと言わんばかりに叫んでしまった。
それもそのはず、この寮は3年前の部員の人数分の部屋が存在している。
俺が迷子になって発見したことを言うと、ここにはなぜかコートを6面張れる体育館があったり、ピッチングマシーンのようにシャトルを出してくれる機械もある。
さらに謎のものも多く、至る所に宇宙人についての資料が散らばっていたり、使い道のわからないトレーニングマシーンなどがあったりと前のコーチが何を考えていたのか全くわからない……というのが現状把握している寮である。
——というか、30分歩いても回りきれない大きさの寮っていくらで建てたんだか……
などと考えていたら、後ろから引っ張られて近くの部屋に連れ込まれた。
「こんなことしたくてやってるわけじゃないんだからね。」
そう言いながら何やら困った顔をしているのはこの部活のツンデレ担当、向日葵だ。
正直嫌な予感しかしないが、ほっとくわけにはいかないので、一応聞くことにした。
「どうかしたの?」
「……あんた、あの信温ってやつと友達だったんでしょ?」
「え、あぁもちろん。今もだけどな」
「じゃああいつのことなんとかしてよ。じゃないと紫織がかわいそうよ。」
そう言われながら隣の部屋に行くと、信温が何度も告白している声が聞こえた……のでとりあえずドアを閉めた。
「なんで閉めるのよ。早くなんとかしなさいよ」
「すまん、あんな友達いなかったわ。人違いだから帰るわ」
それもそのはず、中学校の時の信温はクールって感じでクラスの女子に、意外と人気があった。
そして何度告白されても全て断るぐらい女子に興味がないようだったのだが、それがなぜかあんなことになっている。
そうなると誰だって逃げたくなる……そんなことを考えていると紫織が部屋から出てきて言った。
「ちょっと何逃げてるんですか? あなたの''おともだち''ですよね? 責任持って大広間に連れてきてくださ〜い。ミーティングするので」
と信温を蹴りながら言った。
「ペットみたいな言い方すんな。誰もこんなペット欲しくないわ」
と一応反応したが、さっきのオッパ……事件もあるので嫌だとはいえなかった。
なのでしぶしぶこの"おともだち"を連れて行くことにした……サイアクだ。
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部員5人のバドミントン部〜部活も青春も充実させます〜 SAYUTO @SAYUTO
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