第5羽 部活寮サイコー?

 今、俺はバドミントン部の部活寮の前に来ている。

 聞いた話によると、3年前のコーチが選手の管理を徹底するために作ったのだとか。

 とりあえず入ってみることにした。


 中に入ったはいいが、ドアがいっぱいあって全くわからん。

 微かに聞こえる人の声を頼りに1つのドアの前にたどり着き、ドアを開けようとした瞬間


ガチャッ


と、俺が開ける前にドアが開き、同時に誰かはわからないが人にぶつかって倒れ込んでしまった。


 ——ん、なんだこれ、両手にマシュマロの何倍も柔らかい物体が押しつけられている。いつまでも触ってられる。ってあれ、これってもしかして……

 目を開けるとそこには顔を赤らめている裸の赤鬼がいた。


「…………え……えーと………立派だね!」


「っ………ふふ・・・死んだください」


と笑いながら言ったかと思うと次の瞬間、股間に鉄拳が下され、気絶していた。








 「——くん、蓮くん」


「は、はい! 誠に申し訳ございませんでした」


「私以外誰もいないよ〜」


 声をかけられて目覚め、とっさに土下座したが、相手は鬼ではなく、紗黄姉だった。

 どうやらここは寮の大広間かなんからしい。

 今どういう状況なのかわからないような顔をしていると、紗黄姉が優しい声で


「君なん時間気絶してたと思ってるの? 三時間だよ! さすがに心配しちゃったよ〜」


 ——こんな俺の心配をしてくれるなんて紗黄姉優しい〜。 てか、これから毎日こうやって心配してくれるなんて……部活寮サイコーだな! 

 なんて思っていると、気絶前のことを徐々に思い出し、俺の息子が急に痛くなってきた。

 息子に何かあっては、まだ経験ゼロの俺としてはかなり厳しいので、トイレで息子の安否を確認することにした。


 「紗黄姉さん、ちょっとトイレ行ってきてもいいですか?」


 紗黄姉は俺が青ざめているのを見てキョトンとしながらうなずいてくれたので、トイレに向かうことにした。





 ——さっきの紗黄姉、一見いつも通りにも見えたけど、いつもより元気がなかった気がする。

 そんなことを考えながらトイレに向かって歩いていたはずが……


「・・・・ここ、どこ?」




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