エピローグ

「直陽!」

「あ、風博にい」

 次の日、学校に行く道を歩いていたら、うしろから風博にいに声をかけられた。

「昨日、アサンブラージュさわぎあったんだな。俺、よく覚えてないんだけど」

「もう大丈夫なの? 無理しちゃだめだよ」

「大丈夫大丈夫。このとおり元気だよ」

 風博にいは腕をまわして、元気なのをアピールする。

 これなら、もう心配しなくていいかも。

「そうだ、昨日探してた人については解決したのか?」

「うん。おかげさまで」

「そっか。よかった。直陽に友だちができて、嬉しいわ」

 もう、風博にいは昔から心配性なんだから。

 なんだか照れくさくて、えへへと笑う。

 そのとき、ボクの横を人がとおりすぎた。

 白いパーカーを着た人だ。

 ……あれ、どっかで見たような。気のせいかな?

 まあ、いいか。

「他にもいろんな子と仲よくなったんだ。今度紹介するね」

「そっか、楽しみだ」

 風博にいの笑顔に、笑顔で返す。ひさしぶりにちゃんと話したけど、楽しい。

「おーいっ、直陽ちゃん!」

 向こうから聞こえる声にふりむくと、花袋がぴょんぴょんはねながら手をふってる。

「お、呼んでるぞ。行ってこいよ」

「うん! またあとでね」

 風博にいに背中を押されて、花袋のほうに走る。

 今日の入学式は、アサンブラージュがきませんように!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒーロータイムはこの仲間と! 花成花蕗 @kanarikaro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ