憧れの人にいきなり冬の海に突き落とされる、と言う、とんでもない展開から始まる本作品。
ですがご安心下さい。すぐに主人公ティアの元にヒーローが現れます。
彼女を助けてくれたのは、吸血鬼の魔族キリア。
優しくて紳士的な彼に恋をしてしまったティアは、彼と共に仲間を集め、祖国奪還を目指します。
この作品は、とにかく登場人物たちが皆可愛いです! 恋する主人公ティアはもちろんのこと。
相手役のキリアも、時々語られるその真意を知れば、読者も彼を愛さずにはいられません!
さらに、タイトル通り出てくる数々の「もふもふ」さんたち! キュートな見た目と言動にも、とにかく癒されます。
そして、最後まで読了して驚いたのは、この物語が真のハッピーエンドだったと言うこと。
誰も置いていくことなく、全てを救い上げてくれる展開は、きっと誰もが納得できるはず!
本当に温かな気持ちになれる物語です。
是非ご一読下さい!
タイトルに一切の偽りなし。突然母国を追放された少女が、自分を助けてくれた吸血鬼の青年とともに祖国奪還を目指します。彩りを添えるのは多種多様な背景をもつ登場人物たちで、これは人とは限りません。そう、モフモフが仲間になるのです。え、何を言ってるかわからないって? それなら直ちに読もう。
この作品の魅力は、世界規模のサスペンスにあります。「少女はなぜ追放されたのか?」という謎を究明する過程で新たな謎が明らかになり、その謎の解明に向けてまた新たな冒険が始まり…。ぐいぐいと世界の真相へと分け入っていくことになるのです。話は少女一人の問題に収まりません。「この国はなぜ雪に閉ざされているのか?」「それは解決可能なのか?」「解決の先には何が待ち構えているのか?」その壮大な問いが生成される過程こそ、この物語のすっきりとのびた背筋に他なりません。
もう一つ、この作品を特徴づけているのは、これがエレナーゼTRPGという強固な世界観を基礎にしているということ。エレナーゼTRPGにはルールブックが存在していますので、気になる方はぜひご確認ください。世界観というのは、設定の堅固さを指し示す言葉ではありません。そこに生きる人々の在り方、世界の帰趨を問題とする言葉です。エレナーゼTRPGは、それが世界規模の危機に立ち向かう物語であり、どんな窮地にあってもハッピーエンドを諦めないという強烈な信念を有しています。依月さかなさんという豊かな才能に支えられた、エレナーゼTRPG固有の物語をご堪能ください。
とにかく可愛い。この一言に尽きる物語。
あまりにも衝撃的な物語の始まりでしたが、読んでいるといつの間にか気持ちはほわほわと優しくなるから不思議。
姫様の置かれている状況は過酷なんですが、彼女を取り巻く仲間たちがほとんどもふもふなので癒やし効果抜群です。それに姫様自身の性格もとても素直で、雪国なのに春の陽だまりを思わせるよう。そんな彼女を救いたいと集まる仲間の気持ちも分かるような気がします。
そしてヒーロー枠のキリア氏。
クールで、でも姫様には忠誠を誓う謎の騎士。ヴァンパイアと言う事もあって妖しい魅力も兼ね備えてますが、途中彼の視点で描かれるシーンがあります。(タイトルに「吸血鬼騎士は~」と付くエピソード)
ここ、すっごくお勧めです!キリア視点で描かれるのですが、彼が何を思っているのかを知って、私は読みながら何度も噴き出してしまいました。可愛い。クールに装ってて、内心こう思ってたんだぁと分かるキリア視点は、謎めいた彼の裏側をちょっと知れて得した気分です。
仲間のもふもふに癒やされつつ、キリアの心の声に癒やされつつ、姫様の純粋さに癒やされる。
姫様の、そしてキリアの行く末を見守ってあげたい、そんな優しい物語です。
この作品を読み始めると……まず主人公でありヒロインであるティアを応援したくなります。はい。
言動がかわいいから応援、というだけではありません。彼女には芯があります。ただの守られヒロインではありません。だから余計にかわいいのかなと思います。
そしてこの作品、他のキャラもみんなかわいいと思います。
しかも主人公同様、見かけだけの上っ面のかわいさだけではありません。
肉体すら失ったのに健気に主人公を守る役割を全うしようとする騎士あらため犬くんや、抱えている悲愴な背景と想いの間で葛藤する吸血鬼魔族くんなど、心から頑張れと応援したくなるかわいさです。
詳しくは読んでみてください。とても読みやすい文なのでスルスル読めるはずです。
魔族や獣人、国の地理や歴史など根底の世界観がきちんと作られている為、すぐに物語に引き込まれてしまいます。
多種多様な人種や設定が出てきますが、主人公ティアの視点で進む為か、サクサク読めてしまうところも魅力!
兄に国をのっとられ、追放されるというシリアスな設定ではありますが、健気に頑張るティア姫の前向きな姿勢と、キリアに寄せる可愛らしい恋愛模様がある為か、温かな気持ちで読み進めることができます。
特に主人公のティア姫様がとても可愛く、ただの守られるだけのヒロインではありません。仲間思いで優しく、また時には好きな人を守るために奮闘したりと、自然と応援したくなるような魅力に溢れています。
ラストは大団円のハッピーエンド!
可愛いお姫様とモフモフな従者達、そして心がキュンとする恋愛物語が好きな方、必見です!
コミカルでライトなテイストの、恋するお姫様と吸血鬼青年の関係進展を軸にした、恋愛ファンタジーです。
虚弱で療養中の王女が、たぶん初恋の人だったと思われる従兄の青年に裏切られ、極寒の海へ投げ出されるところから物語は始まります。目覚めた場所は見知らぬ家、薄着でベッドに寝かされて、部屋に入ってきたのは吸血鬼っぽい謎の青年――?
恋破れ、国を追われ、見知らぬ人に囲まれていても、彼女はめげません。
あまりに綺麗な吸血鬼のお兄さんに心惹かれつつも、家族やお供の安否を確かめるため、果敢に行動を起こします。
そんな彼女の道行きを助けるのは、それぞれに特技を持つ個性的な仲間たち。もふもふ成分も満喫できます。
痛ましい事実も乗り越えて、裏切りの刃もはねのけて、雪深い道を進むお姫様の行手には、どんな真相が待ち受けているのでしょうか……?
シリアス控えめな救国恋愛ファンタジー、ぜひご一読ください。