失ったもの、欠けてしまったもの、戻らないもの。喪失感は、ずっとどこかにある。だけど、未来は続いていくから。
葵と詞は高校生の頃からバイクのレースチームに出入りするようになりレースに出場していました。主人公の奏はふたりの出入りしていたチームオーナーの娘。詞の死のあとから小説は始まり奏の語る心象風景で過去のいきさつが読者に提示されてゆきます。静かでブルーな印象の語り。