「はい。ふたりとも、おつかれさま。おかげでこの国の重要情報は守られましたっ。拍手っ」


「うええ疲れたあ」


「でも、おまえのおかげだよ。まさかストレージ焼いて動きを鈍らせるとは」


「使えるものはなんでも使うんだよ。そこはサイバー空間だろうが現実だろうが同じだ」


「さすが戦闘の達人」


「ふたりには特別報酬があります。なにがいい?」


「そりゃ当然」


「何を守ったか教えてください。インフラなのは分かりますけど、ダムにも発電所にも異状ないし、通信も生きてる」


「今回教われたインフラ設備は、出版です」


「出版?」


「この前国費使って実行した、国中の書類や雑誌類を電子化させた情報が、焼かれるところでした」


「ああ、焚書坑儒の類いね」


「ん」


「どうしました?」


「待てよ。国内の書類データを国外から焼くのおかしくないか?」


「そう。鋭いです。さすが戦闘の達人」


「いや戦闘の達人関係ないし」


「もしかして」


「そう。今回の敵は内部にいました」


「うわあ」


「やだやだ。内部ゲバルトかよ」


「というわけで報酬はここまで。十五分休憩したら内部ゲバルトに突っ込みますよ。次の作戦です」


「まじか」


「うそ、また索敵やるんですか」


「ポジションはお二方に任せます。いいですか、火攻めが一番効くのは?」


「風に勢いがあって攻めやすいとき」


「燃やす対象がはっきりしているとき」


「よろしい。では十五分後にまた」

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火攻、戦闘、サイバー 春嵐 @aiot3110

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