企画を振り返って
企画へのご参加、ありがとうございました。
新シーズン開始に伴い、ここで振り返っていきたいと思います。
今回は企画の中でも、「死別」を取り上げた重いものとなりました。
死別というものは、生きていれば誰しもが必ず経験することです。健常であれば、親は先に死んでしまいます。
ときに、物語の中では容易に人が死にます。物語を盛り上げる為のファクターとして、最初から「死ぬ」という役割が与えられている人物だっています。登場人物に死別を経験させ、何かを進歩させる。よくある手法です。
一方で、死を振り返る、というのは、あまり多くありません。
特に、物語開始時点で死別によってふさぎ込んでいるという設定は決して多くないと思いますし、ましてやそれが主人公ともなると、やはり珍しいのではないでしょうか。
珍しい理由として、
・物語が進まないから
・見ていて気持ちのいいものじゃないから
というのが大きいと思います。
先にも述べた通り、死別は誰しもが経験することです。
しかしながらその向き合い方は人それぞれですし、とても繊細な問題です。少なくとも他人が土足で踏み荒らしていい領域ではないことは確かです。
それでも今回、それをテーマにしたかった理由がありました。
それは、他人の命が自身にどう影響を与えるのか、です。
それを知ること、どう消化(昇華)するのか。
皆様なりの解釈が見たかったのです。
私自身も、それなりに死別を経験してきました。
自身の生き様に多大な影響を与えた人物もいます。それは生前でもそうだったのか、死によってそれが決定づけられたのかはケースによって様々なのですが、少なくとも私という人間を形成する成分であることは違いありません。
そういう重たいテーマに対し、「空」をモチーフとすることで、
壮大さや爽やかさ、希望、そういう明るいイメージを加えました。
実際、投稿作品を見てみると、実に爽やかな作品が多かったように思います。
しっかりと前進している。そう感じます。
何か悩んだり、壁にぶち当たったりして、立ち直れないこともこの先でてくるかもしれません。
そういった時に、多くの「空に走る」に寄り添ってもらおうと、そんなふうに私は思っています。
改めまして、この度はご参加、ありがとうございました。
皆様のさらなる発展を願って、最後にこの言葉を贈りたいと思います。
下を向いていたら、虹を見つけることは出来ないよ。
――Charlie Chaplin
自主企画用「筆致は物語を超えるか」【空に走る】 ゆあん @ewan
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