第4話 エストレア語の碑文

 青い髪の民。


 この地が伝説の地であり、聖杜せいとの民が始まりの民であるというまぎれも無い証であった。


 それは、神殿の地下に眠る、エストレア語の碑文に記されている。



第一章

 宇宙の神はこの星に、宇宙と同じ青色の髪と

 星の光を宿した金色の目を持つ人を作った

 そして、始まりの地の泉に扉を一つ作った

 宇宙の知恵を惜しみなく授けるために

 そして人々は、宇宙の民となった

 

第二章 

 宇宙の神は証として

 扉を守る盾を人に授けた

 一つは銀に輝く 星砕剣ロアル・エスパーダ

 魔を祓い泉を独占の欲から守る

 もう一つは青く輝く宇宙色の石

  星光石の指輪ルス・エストレア

 身に付けし者は、時の輪をくぐり

 泉の過去と未来を繋ぐ


 聖杜の民がいつからそこに住んでいるのか。

 いつからその泉を守ってきたのか、それは定かではない。


 記録としては、文字と暦の生まれた五千年前くらいまでしか遡ることはできていない。

 けれど、聖杜の民にとって、『ティアル・ナ・エストレア』を守ることは民としての誇りであり、重すぎる使命を果たす原動力となっていた。


 そして碑文によれば、『ティアル・ナ・エストレア』とは、 星砕剣ロアル・エスパーダ星光石の指輪ルス・エストレアによって、宇宙の神との扉である『知恵の泉』を守る者のことを言う。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る