登場人物解説(ネタバレあり)

タケル

 草薙 尊(くさなぎ たける)

 怪異が見えるせいで、幼いころから「変わった子ども」扱いだった。実際、ちょっとピントがずれた思考回路をしている。

 クラスのなかでは背がちいさいことが、ひそかなコンプレックス。

 自覚なく怪異を引き寄せるので、タマさんは気が抜けない。

 妖怪たちに好かれるフェロモン的なものがある、らしい。


 名前の元ネタは、「日本武尊|(ヤマトタケルノミコト)」

 剣(筆)、鏡(ノート)、玉(タマさん)を所持している、自覚のないスーパー物の怪マスター。

 現在、妖怪版動物王国を着実に形成中。




おかあさん

 タケルの母。いたって普通の人だけど、不思議ワールドに忌避感はない。

 できるなら、自分もタマさんとお話してみたいと思っている。動物好き。



おとうさん

 草薙 亘(くさなぎ わたる)

 タケルの父。民俗学者。

 三宝山を護る草薙家に生まれつつ、怪異が見えないので、地域の伝承や妖怪の話などを調べることで「知る」ことを選択した人。

 自分は「草薙」として相応しくないと思っているが、秘密の小部屋を見つけて入ることができた時点で、彼らに認められていることを本人は知らない。

 付喪神たちはむしろ、書物や道具を大事にする亘のことが大好きだったりする。



三方町のおじいちゃん

 草薙 公文(くさなぎ くもん)

 退魔系じいちゃん。裏稼業は祓い屋さん。おふだを書くので、字が上手い。

 ここ数代の草薙家は隔世遺伝的に能力が発現するため、のんびり屋の孫のことを、いろんな意味で心配している。

 タマさんの名付け親。



三方町のおばあちゃん

 公文とは、お見合い結婚。なにげに一目惚れ。

 今は廃れた巫女さんの血筋であるため、草薙家と縁を持つべく、引き合わされた人。

 怪異たちの「言葉」はわからないけど、なんとなくオーラ的なもので判断できるため、タマさんとは女の友情で固く結ばれている。





---学校関係者


コウキくん(光輝)

 タケルのマブダチ。母親同士が仲がよく、赤ん坊時代からの付き合い。

 スポーツ少年で、いまはサッカーに傾倒中。かといって、運動苦手なタケルのことを無理に誘ったりしない、超いい奴。

 漫画だと、主人公の友達ポジで人気でるタイプのやつ。

 愛犬は、クマゴロウ(ゴールデンレトリバー)



カミルくん(神琉)

 頭のいい、秀才くん。

 先生の覚えめでたく、学級委員をやっているが、たぶん児童会長にもなるんじゃないかと思われる。

 たぶんクールなイケメンに成長し、女子にキャーキャーいわれるタイプになるはず。

 本人は、キラキラした自分の名前があまり好きではない。



ドレミちゃん(音符)

 母親がピアノの先生をしているので、本人もピアノをやっている。上手い。

 小三にして、かなり女子力の高い、おしゃれでおませな女の子。

 言いたいことははっきり言っちゃうタイプなので、そのうち敵を作りそうで心配。



アリサちゃん(亜里沙)

 机に座って、ひとりでもくもくと本を読んでいる。

 こころのなかでは、毒を吐いているタイプの女の子。

 ドレミちゃんのことはひそかに「うざい」と思っているが、だからといってべつに嫌いなわけじゃない。



アンドウ先生(安藤先生)

 専門は音楽。実は、親も音楽教師。

 なるべく平気なふりをしているが、実はめちゃくちゃビビリ。

 学年主任からのセクハラに耐えている。



ミキモト先生(幹本先生)

 漫画に出てくる、テンプレ的な頭悪そうな体育教師(←偏見)

 裕福な家庭で育ち、親からの期待がすごく、ストレス解消でアレな方向に走ってしまった人。

 クーは、幹本少年がいちばん最初に獲物にして、〇〇した子犬。

 子犬の遺体に、他の犬や猫や鳥や、なんやかんやが集まったもんだから、ぎゅうぎゅうに詰まって濃度増し増しで、十年分ぐらいの怨念がとんでもないことになったせいで、ああなりました。合掌。

 全然連絡がつかなくて、アパートに行ってみたらもぬけの殻で、失踪と判断されている。




---妖怪


タマさん

 猫又。一人称:アタシ

 出生時代は不明。怪異が見える少年と暮らしていたが、やがて彼が老い、その後は流浪の旅をつづける。

 各地を転々として歩きまわり、怪異の匂いに釣られて草薙家の庭に辿り着き、公文少年と出会う。

 タケルは、最初の飼い主に似ているが、怪異に無頓着すぎて心配が絶えない。

 寄ってくる瘴気を食べたり、追い返したり、あるいは自身の身体に取りこみ移すため、足や腕に自分の身体をこすりつけている。匂い移しの意味もある。

 体内に溜まったものを浄化するため、定期的に裏側の世界へ行っている。



ケロさん

 青蛙神せいあじん。一人称:オイラ

 陽気なカエル、さすらいの歌い手。ゲロゲーロ。

 タケルが住む上坂を拠点に、お天気の管理している妖怪蛙。

 上司であるガマ仙人の無茶ぶりに耐えているうちに、スルースキルを獲得。なんとかなるさの精神で生きている。

 車に轢かれても復活できるし、尻にバクチク突っ込まれてもたぶん平気。だって妖怪だもの。



コンさん

 コックリさん。一人称:ワタシ

 ふさふさのしっぽが美しい、雅な白い狐。

 小学校内での噂話を糧に生きているが、タケルから供物をもらえば、校外にも出られる。

 自分の姿を認識し、声をかけてくれる⇒存在を保つために必要な妖気を補充できる、ということなので、タケルのことは好き。



ハクさん

 雷獣。一人称:俺様

 イタチ似の獣。灰色の毛並みでしっぽはふたつに分かれている。狐ではないけれど、稲荷神にも縁があるらしい。

 「〇〇なのである」といった、である口調で居丈高に話す。猫に似ていると言われるのが地雷。

 なんだかんだで、お人好しで面倒見がいいので、タケルのことも無下にはできない。

 好物は、「はぎのや」の和菓子。団子は、餡子乗せより、みたらし派。

 雷獣=ハクビシンということで、「ハクさん」と呼んでいるが、彼の名前が「白旺(はくおう)」であることを、タケルは知らない。



クー

 すねこすり。

 普段はしっぽぐらいしか姿を見せない、犬の妖怪。見た目は黒柴の子犬。

 足もとをひたすらくるくるまわっているだけの、ちびっこもふもふ。

 多数の動物霊の怨念により悪鬼と化していたが、復讐を果たしたことで、ひとまず無害化。

 妖怪フェロモンによってタケルに懐いており、普段はタケルの影に潜んでいる。

 知能は低いので、あまり役には立ってないが、食べる(取りこむ)のは得意なので、今後はタマさんの指導で成長するかもしれない。



サトリくん

 サトリ。一人称:オレ

 三宝山の入口に立つ、門番的存在。

 対面した人物の考えを読んで、それを返す。

 怖がられることに慣れているため、フレンドリーに接してくるタケルに戸惑いつつ、実はうれしいというツンデレっぷりを発揮している。



天狗さま

 天狗。一人称:吾輩

 三宝山を中心に、その裾野の地を護っている。

 草薙一族とは長い付き合い。

 基本的に陰気なサトリを手懐けたタケルのことは、将来有望株として期待している。



つくも神

 草薙家に代々伝わっているものを置いてある秘密部屋に在住している精霊たち。

 いっぱい、いろいろいる。

 部屋に招きいれる=草薙の人間として認定、なので、相手が知覚できるできないは、関係ない



道祖神

 土地神さま。一人称:我

 大昔の住民たちが、神さまが住む山と、自分たちが住む里の境界に建てたお地蔵さま。

 長い月日を経て、土地神となっている。基本、見てるだけで、何かをするわけではない。調停者で相談役。

 草薙のタケルのことは、生まれた当初から、物の怪界隈で話題になっているので、知っている。

 でも、手出しはしない。




---場所


上坂神社

 町名を冠する、地元密着型のちいさな神社。神主は在住してないタイプ。

 土地開発で地形は変わったが、かつては「坂の上」にあったので、表側から境内に行くには階段をあがっていく必要があるが、裏側はあまり高低差がない。

 瘴気を溜めこんだタマさんが浄化に行く場所。

 場が安定しているので、ケロさんやクーといった妖怪たちは、神社を中心にして生息している。



はぎのや

 和菓子屋。

 創業は江戸時代にまで遡り、もともとは、関東にあった団子屋から暖簾分けしてできた店。

 餡子の味に定評があり、県外にまで名が通っている。最近は、インターネットでのお取り寄せも可。

 神棚や付近の稲荷には、店で作った餡子と、みたらし団子をお供えする習わしがあるらしい。




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